目先のハード売上よりもユーザー人口の引き継ぎ重視か

Nintendo Switch 2の米国価格は399ドルと著名アナリスト予想

Image:任天堂

任天堂はNintendo Switch後継モデル「Nintendo Switch 2」(以下、スイッチ2)の価格を明らかにしていない。公式発表は、おそらく最速でも4月2日配信の「Nintendo Direct: Nintendo Switch 2」となりそうだ。

そんななか、著名アナリストが399ドルで販売される可能性が高いと主張している。

ゲーム市場調査会社SuperData Researchの共同創設者ジョースト・ヴァン・ドゥルーネ氏は、「Nintendo Switchの第2幕」なる分析をネット上で公開している。

これは初代スイッチが家庭用ゲーム機と携帯ゲーム機の両方で収めた成功を踏襲しつつ、任天堂の新たな進化や戦略転換を論じるものだ。単なるハードウェアの世代交代に留まらず、ソフトウェア、オンラインサービス、エコシステムの刷新も視野に入れているという。

ドゥルーネ氏によると、スイッチ2は前機種とは根本的に異なる市場環境に参入するとのこと。任天堂のアプローチも、技術的な進歩よりもエコシステムの管理が成功の鍵だと認識しており、目先のハードウェア販売よりもプラットフォームの持続可能性に焦点を当てていると述べている。

その最たる現れが「後方互換性とシームレスな移行」、つまり(ほとんどの)初代スイッチのソフト動作を保証し、ユーザーをスイッチ2にスムーズに乗り換えさせようとする姿勢だという。これらは任天堂がユーザーベースの維持とソフトウェアへの愛着度に重点を置いていることを示唆するとともに、昨今の業界の変化に沿ったアプローチでもある。

市場の状況が大きく変わった(革新性よりも既存ユーザーの引き継ぎを重視)との前提のもと、ドゥルーネ氏はスイッチ2の価格は399ドルになると予想している。

この価格帯は「プレミアムハードウェアの期待感と主流市場のアクセシビリティ」のバランスを取る上で、心理的な閾値としてとても重要とのこと。つまり、買いやすいと思わせる価格と次世代ゲーム機として期待される高性能が、この価格であればギリギリ実現するということだ。

この価格帯は、任天堂はハードウェアの利益率を維持でき、それでいて競合ゲーム機よりも明らかに安く、ファミリー客層を排除することなく、スイッチ2が技術的に進化していることを明確に示せると同氏は述べている。

また携帯ゲーミングPC市場の爆発的な成長は、携帯ゲーム機の潜在的なユーザー層を拡大し、任天堂のファミリー向けコンテンツとは重複しないコアユーザー層を生み出したという。実際にはスイッチ2にとって競争圧力よりも、プラスの波及効果(新たな客層が取り込める)をもたらすとのことだ。

スイッチ2の米国価格が約400ドルになるとの予想は、部品のコストを積み上げた試算台湾サプライチェーン情報、各国の小売店からのリークでも伝えられてきたことだ。

現行のスイッチ有機ELモデルが米国では約350ドルで、日本では約3万5000円(税込)だ。日米ともに同じ値上げ率で価格が設定されるなら、スイッチ2の国内価格は約4万円となるが、止まらない円安から考えれば、そこまで安くならないのかもしれない。

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