ChatGPTアプリでも選べるAIモデル多すぎの印象
OpenAI、推論モデル「o3」単独リリース中止。次期GPT-5に技術を統合

OpenAIのサム・アルトマンCEOは、次の主要AIモデルとなる予定だった「o3」の単独リリースを取りやめ、代わりに次期「GPT-5」の開発に注力すると発表した。
Xへの投稿によると、OpenAIは今後数か月のうちに、チャットボットAIのChatGPTとAPIにo3を含む「わが社の多くの技術を統合した」GPT-5をリリースすると述べている。o3の開発が中止されるわけではなく、GPT-5という単一製品の一部になるというわけだ。
もともと同社は、今年の早い時期にo3リリースを目指していると述べていた。つい数週間前、チーフ・プロダクト・オフィサーのケビン・ワイル氏は、o3が「2月〜3月」に利用可能になると語ったばかりだ。
アルトマン氏いわく「我々の意図するロードマップをもっと上手く共有し、提供する製品をもっとシンプルにしたい」とのこと。「我々の(AI)モデルと製品の提供がどれだけ複雑になっているかを理解している」と述べている。
これはChatGPTを利用している人であれば、実感しやすいだろう。現在の専用アプリおよびウェブ版では、GPT-4oとo3-mini、o3-mini highなど複数のAIモデルを選ぶ形となっており、どれを使えばいいか迷いがちである。
またアルトマン氏は、GPT-5の無料提供が始まれば「悪用のしきい値」を条件として、「標準的なインテリジェンス設定」で無制限にチャット利用を可能にする予定だと述べている。ただし、「悪用のしきい値」が具体的に何を意味するのかは明らかにしていない。
さらにChatGPT Plusの加入者は、GPT-5を「より高いインテリジェンスレベル」で実行でき、ChatGPT Proユーザーはそれ以上のレベルで利用できるとのことだ。そしてGPT-5には音声、キャンパス、検索、DeepResearch(AIリサーチアシスタント)、その他が組み込まれる予定だという。
このGPT-5がリリースされる前に、GPT-4.5(コードネーム “Orion” )を数週間以内にリリースする予定とも付け加えている。これが同社にとって最後の「非思考連鎖モデル」になるという。o3などの「推論」モデルとは異なり、非思考連鎖モデルは数学や物理学等では信頼性が低い傾向がある。
中国企業のDeepSeekがAI業界に激震をもたらして以降、OpenAIの優位は揺るがされつつある。アルトマン氏は自社の技術的なリードが狭められたと認め、競争力を高めるために「いくつかのリソースを引き上げる」と述べていた。
これまでGPTシリーズは「厳密な正確さを求めずスピード優先」、oシリーズは「応答に時間がかかっても正確さを重視」と用途ごとに使い分けられてきた。すぐに簡単な回答が知りたいユーザーも、GPT-5では推論のため待たされることになるのか、気になるところだ。
- Source: Sam Altman(X)
- via: TechCrunch