一般的にセキュリティ上のリスクあり

米TikTok、Androidユーザーに公式サイトからのサイドローディングを推奨

Image:Ascannio/Shutterstock.com

ショート動画アプリTikTokは、米国でサービスが一時停止されてから数時間後に再開されたが、現地でのApp StoreやGoogle Playストアでは削除されたままだ。「TikTok」で検索すると「利用できません」というメッセージが表示される状態が続いている。

そんななか、TikTokが公式サイト上でAndroid版アプリのAPK(配布やインストールに使われるファイル形式)をダウンロード可能とし、ユーザーにサイドローディングを推奨している。

Androidのサイドローディングとは、公式のGoogle Playストアを介さず、外部のソースからアプリをインストールする行為のことだ。通常、Androidデバイスではセキュリティ上の理由から未知のソースからのアプリインストールは標準で無効化されているが、手動で設定を変更することで可能となる。

サイドローディングは、アプリストアによる審査を経ず、セキュリティチェックを行っていない可能性があり、偽アプリやマルウェア等をインストールしてしまうリスクがある。

TikTokは公式サイトにて「デバイスを悪意のあるソフトウェアから保護するため、弊社のアプリはTikTokのウェブサイトからダウンロードし、他のウェブサイトやQRコードからのダウンロードは避けることを推奨する」と述べている。また、軽量版の「Lite」バージョンも提供している。

新たにTikTokアプリを入手する手段がなくなったなか、米国ではインストール済みスマートフォンが高価なプレミアム付きで取引されていた。メーカー希望小売価格をはるかに上回り、オークションでは5万4000ドルまで上がったものもあった。

米国では、前バイデン政権のもとで「外国敵対勢力が管理するアプリケーションからアメリカ人を保護する法(PAFACA)」が成立した。これは、外国の敵対勢力が管理するアプリが米国の国家安全保障に脅威をもたらすと判断された場合、それらアプリの配布などを禁止するものだ。ほぼ、中国ByteDanceとその子会社が運営するTikTokを狙い撃ちした法律である。

PAFACA成立後、TikTokおよびByteDanceは異議申し立てをしたが、2025年1月17日に米最高裁はこの法律を支持する判決を下した。が、執行の判断を任されたトランプ新大統領は、法の施行を75日間延期する大統領令に署名したため、現在ByteDanceは適切な売却先を探すことを迫られている。

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