ますますアップルのSiriの遅れが目立つことに
Amazon、生成AI搭載Alexaサービスを2月26日に発表か
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米AmazonはAlexaの生成AI音声サービスをリリースする準備を進めており、2月26日にニューヨークでプレス向けイベントを開催する予定だと複数のメディアが報じている。
同社はメディア関係者らに招待状を送り、デバイスおよびサービスチーム責任者パノス・パネイ氏が登壇することを明らかにした。広報担当者は、このイベントがAlexaに焦点を当てていると述べつつ、詳細は言及しなかったという。
米Reutersは、Amazonが生成AI搭載の新生Alexaサービスをリリースする予定であり、プレビューするイベントを開催することを、事情に詳しい3人の関係者から聞いたと伝えている。
このAIサービスは複数のプロンプトに順番に応答でき、ユーザーに代わって「エージェント」の役割を果たせると同社の幹部は述べているという。現在のAlexaは一度に一つのリクエストしか処理できないことから、飛躍的な進歩である。
新生Alexaはユーザーの好みを記憶するよう設計されており、お勧めの音楽やレストランも提案できるとのこと。また1回のセッションで複数の指示を出せることで、たとえばハンバーガーの配達前に注文を変更できるようになると関係者は述べている。
また新生Alexaは、部分的にはAIスタートアップAnthropicに依存しているとのことだ。これはReutersのほか、英Financial Timesも報じていた。
そしてローンチ当初は「限られた数のユーザー」に無償で提供されるが、最終的には月額5ドル~10ドルのサブスクリプションにすることを検討しているという。従来型のAlexaも「Classic Alexa」として引き続き提供するとも付け加えている。
これまでのAlexaガジェット事業は赤字続きであり、2017年~2021年には合計250億ドルに達していたといわれる。Echoスピーカー等は低価格に抑えられ、音声アシスタントも買い物よりも天気や時間の確認など無料アプリに使われているなか、サブスクリプションによる収益性を高めるのは急務だ。
すでに生成AIとの会話はGoogle Geminiや(Googleの技術を使った)サムスンのGalaxy AIで実現しており、そこにAlexaも加われば、アップルのSiriでの遅れがさらに目立つだろう。より自然な会話ができる「LLM(大規模言語モデル)Siri」の実用化は、2026年になる見通しだ。