すでにGoogleに対する独禁法調査はスタート
中国政府、アップルを独禁法違反の疑いで調査を検討か。米中関係の緊張が高まるさなか

中国当局が、米国やEU、日本等で実施されているものと同様に、アップルのApp Store手数料に対する独占禁止法違反の調査を検討していると報じられている。
Bloomberg報道によると、中国の国家市場監視管理総局(SAMR)がアプリ内購入の最大30%もの手数料と外部の決済サービスに対する制限など、アップルの慣行につき厳しく調べているとのこと。政府関係者は昨年から、アップルの幹部やアプリ開発者と話をしていると伝えられている。
中国当局が注視しているのは、1つにはアップルが現地の開発者に対して課している手数料が不当に高いかどうかということ。もう1つは、外部のアプリストアや決済方法を禁止していることが競争を妨げ、中国の消費者に不利益をもたらしている可能性だという。「アップルが変更を拒む場合、政府は正式な調査を開始する可能性がある」とBloombergの情報筋は述べている。
この件は、現地のテンセントやByteDanceとアップルとの長年にわたる紛争に端を発しているという。昨年8月には、アップルが両社に対してApp Storeの手数料を回避する「抜け道」をふさぐよう迫っていると報じられていた。
今回のニュースは、ちょうど米中の緊張が高まっている最中のことだ。米トランプ政権は2月4日に中国からの全輸入品に対して10%の追加関税を発動。これに対し、中国政府も報復措置として米国からの輸入品に最大15%の追加関税を課すと発表し、タングステンなどのレアメタルの輸出規制も開始している。
それと並行して、米国の追加関税が始まった直後、SAMRはGoogleに対する独禁法違反の正式な調査を発表している。また、インテルに対する調査を開始することにも関心を持っていると英Financial Timesが報じていた。
中国におけるアップルの立ち位置は、非常に微妙である。中国はiPhoneの主要な製造拠点であり、米国以外では最大の市場だ。その一方で、同社はホリデーシーズン(年末商戦期)に中国からの収益が11%減少したと報告しており、地元のライバル企業ファーウェイ等との激しい競争にもさらされている。