DeepSeekだけがAIじゃない

Google、新AIモデル「Gemini 2.0 Pro Experimental」リリース

Image:Google

Googleは水曜日、新しい主力のAIモデル Gemini 2.0 の実験版「Gemini 2.0 Pro Experimental」をリリースした。これはDeepSeekやOpenAIの最新モデルと競合する製品に位置付けられている。

Googleいわく、Gemini 2.0 Pro Experimentalは「これまでリリースしたどのモデルよりも優れたコーディングパフォーマンスや複雑なプロンプトの処理能力を備えており、世界知識の理解と推論能力に優れている」とのことだ。

このモデルには200万トークンのコンテキストウィンドウ(一度に処理できるトークンの量)が搭載され、膨大な量の情報を包括的に分析し、理解できるという。非常に大きなコンテキストウィンドウは、それだけ膨大な情報を一度に分析処理できることを意味し、全体的なパフォーマンスを向上させるはずだ。

Googleはほかにも、推論AIモデルであるGemini 2.0 Flash Thinkingの一般リリースと、ほとんどのベンチマークで1.5 Flashを凌ぐと主張する、Gemini 2.0 Flash-Liteの導入を発表した。これらのモデルは開発者や企業を支援するために設計されており、Google AI StudioとVertex AIで利用できる。

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また、Gemini 1.5 Flashモデルよりも優れているにもかかわらず、価格と速度は同じになっている。Gemini 2.0 Flash-Liteの導入は、DeepSeekで盛り上がる顧客層からの注目を取り戻し、またその低コストさに対抗する意図も含まれているのかもしれない。

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Google DeepMindの最高技術責任者(CTO)Koray Kavukcuoglu氏は、「これらのモデルはすべて、リリース時にはテキスト出力付きのマルチモーダル入力を備えており、今後数か月でより多くのモダリティ(視覚・聴覚・言語など)が一般利用可能になる予定です」とブログ投稿で述べている。ちなみにこの記事を執筆している時点では、DeepSeekのR1モデルもOpenAIのo3-miniモデルも、マルチモーダル入力に対応していない。

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