自宅がワンランク上のスマートホームに
Aqaraのミリ波レーダーセンサー「FP2」がすごい! “家電が自動で動く”未来のスマートホームが作れる
スマートホームと聞くと、音声操作やスマートフォンからの家電のコントロールなどが思い浮かぶ。しかし、その先にあるのが、センサーによる自動制御だ。
玄関やトイレ、屋外照明などで使われている人感センサー付きライトがわかりやすい例。スマートスピーカーによる音声操作が広がった今、これからのスマートホームはセンシングによる自動制御が当たり前になっていくと予想できる。

そんななかで注目の製品が登場した。それが、超高精度ミリ波レーダー技術を採用したAqaraの「人感センサー FP2」(販売価格1万2980円・税込)だ。本記事では実際に試してみたレビューをお届けしよう。
室内のゾーンを細かく分けて家族5人を検知
Aqaraは、中国最大のスマートホーム ソリューションプロバイダーである、Lumi United Technologyが展開するスマートホーム製品のブランド。2024年より日本市場での展開をスタートしており、住宅のスマート化に必要なスマートリモコンやハブ、カメラなど、様々な製品を用意している。
その中で未来を感じさせてくれるのが、日本市場において最初に登場したAqaraのミリ波を使った人感センサーだ。人感センサーは、入室や退室、室内での移動などの人の動きを検知し、それをトリガーとして、家電を動かすことができる製品。人を感知することで照明を付ける、といった動作ができる。

従来からあった一般的な赤外線の人感センサーは、温度変化で人を感知する。そのため、広い範囲で、1人の在/不在しか検知できなかった。
また、人感センサー付きライトをデスク周りやトイレなどの、動きが少ない場所に設置するとその場にいても「動き」が検知できずに、突然灯りが消えるといったことも起きる。逆に、玄関などでは、ペットの動きを誤認識して無駄に点灯することも多い。
しかし、超高精度ミリ波レーダー技術を採用した「人感センサー FP2(以下、FP2)」では、より細かく制御できる。
このミリ波レーダーは、クルマの自動運転などにも使われている技術で、ミリ波帯の電波を照射して対象物の位置や動きなどを高い精度で検知できるのが特徴。複数の対象物の細かな動きまですばやく検知できるのだ。
FP2は壁面に取り付けることで、最大40平方メートルの広い空間での人の検知に対応し、最大5人(推奨は3人)の動きを同時検知できる。しかも、室内を動くロボット掃除機やペットなどは誤認識しにくい仕組みとなっている。

またFP2は、天井に取り付けることで転倒を検知することも可能。さらにベッドのそばに取り付ければ、非接触での睡眠モニタリングもできる。これらの3つの機能を選んで使えるのがFP2のメリットだ。
なお、より簡単に設定できて低価格で導入できるエントリーモデル「人感センサー FP1E」(販売価格7980円・税込)も用意。ゾーン分け機能や複数人検知、転倒検知機能などの高度な機能には対応していないものの、ミリ波レーダーによる高精度な検知が可能。赤外線センサーと異なり、動きが少なくても検知できるため、寝室や書斎、ひとり暮らしの部屋などに導入するならこちらもアリだ。

部屋を最大30のゾーンに分けて動きを分割検出できる
実際に事務所にFP2を取り付けてみた。FP2はネジ止めや両面テープで固定できる仕組みだが、今回はFP2のスタンド部を食器棚に引っ掛けることができた。付属のUSBケーブルも長く、取り回しはいい。部屋全体が見渡せる位置に取り付けよう。

続いて、スマホにAqaraアプリをインストールして接続設定を行う。今回はFP2とあわせて、Aqaraブランドの照明機器「LED テープライト T1」(販売価格6980円・税込)、それらをまとめて操作するためのスマートリモコン機能付きのハブ「スマートリモコン M3ハブ」(販売価格1万8480円・税込)なども設定した。これら機器の登録はスマホアプリから簡単にできた。
FP2では室内での様々な動きをトリガーとして設定できる。Aqaraアプリの自動化設定では、トリガーとなる「もし」にFP2による検知が指定できる。
ここに指定できる条件は「人がいる/いない」から、「近づく/遠ざかる」や「左右から入ってくる/離れていく」など多彩。さらに本機には照度センサーも内蔵しているため、部屋の明るさの変化による制御も可能だ。

FP2では、室内に最大30のゾーンを設定できる。それぞれのゾーンでの在/不在でトリガー設定が行える。この自動化の設定も「もし」と「アクション」を指定するだけなので簡単だ。
今回はデスク前とソファエリアの2箇所を設定。デスク前に座るとデスクスタンドに取り付けたLED電球が点灯、ソファに座るとテレビの裏に取り付けたテープライトが点灯する設定だ。どちらもエリアを離れると、一定時間後に消灯する設定にした。
広いリビングの中でソファに座ったら、テレビ裏のテープライトが点灯し、デスクに移動すると、電球を取り付けたデスクライトが点灯する。家族がソファに残っている場合、リビングのライトはそのままだが、不在になったら一定時間で消える、といった制御が自動でできる。

つまり、室内での移動に合わせて照明も移動してくれるというわけだ。また、ちょっとした外出や退席時に照明の消し忘れを気にする必要はないのだ。
複数人を検知できるので、デスクにいるときに家族がソファに座っている場合は、両方の照明が点灯する。このときにいちいち、音声で指示を出したり、スマートフォンを操作したりする必要はない。

このFP2を使った自動化機能では、Aqara製品以外とも連携できる。「スマートリモコン M3ハブ」には、赤外線で家電のリモコン操作ができるIRコントローラー機能を搭載しており、リモコンを登録することで、エアコンや空気清浄機、テレビなどの家電の操作ができる。

実際に事務所にあった日立ジョンソンコントロールズのエアコンのリモコンを登録し、FP2による検知をトリガーにして、エアコンを操作する自動化設定ができた。
さらに、他のMatter対応機器もAqara Homeに統合可能。たとえば、スマートライトとして普及率の高い「Philips Hue」なども連携して動作させることができるのだ。

今回は「一定時間以上人がいない」場合に、エアコンをオフにする設定を作ってみた。これなら消し忘れ対策として使える。なお、設定温度などの細かな登録はできないようだ。

自宅をいち早く未来のスマートホームにできる
FP2による「自動化」機能は、未来の家電の使い方だといえる。家電の多くはリモコンによって、離れた場所から操作できるようになった。そしてスマート化により、Wi-FiやBluetoothなどに接続し、スマートフォンやスマートスピーカーからの動作が可能となった。
FP2のような高性能センサーによる自動化は、その次のフェーズだといえる。 家族の動きに合わせて、 照明が点いたり、家電が自動で動作したりする。その結果、つきっぱなしなどを防ぎ、無駄を省き、少し先回りして快適な空間を作ってくれる。
車が自動運転するのと同じように、家も自動化していく。AqaraのFP2を活用すれば、自宅がワンランク上のスマートホームに変わるのだ。
(提供:Aqara)