あんよは上手

AIで人の感情を認識。Xiaomiが人型ロボット「CyberOne」公開

Image:leijun/Twitter

Xiaomiは、折りたたみスマホの新製品発表イベントで、サプライズとしてヒューマノイド(人型ロボット)の「CyberOne」プロトタイプを公開した。身長177cm、体重52kg。誕生日は定かでないものの、なぜか星座は獅子座だという。

イーロン・マスクが発表した「Tesla Bot」を意識した外観に見えて仕方ないものの、Tesla Botとの最も大きな相違点は、それがちゃんとロボットとして現れたところ。CyberOne、ニックネーム「Metal Blo」は、自分の足でヨチヨチと歩き、CEOのLei Jun氏に一輪の花を手渡すことができる。

Xiaomiは昨年8月のイベントでロボット犬「CyberDog」を発表している。いずれもXiaomiのロボット開発部門であるXiaomi Robot Labsが開発したものだ。CyberOneの真っ黒い顔面はOLEDパネルになっていて、インタラクティブな情報を表示する。そして目にあたる立体視カメラ「Mi-Sense」を備え、耳に該当する2つのマイクは、環境音(85種類)および人間の声の感情(45種類)を認識可能だ。これらにAIのアルゴリズムを組み合わせることで相手の感情を識別し、たとえばユーザーが落ち込んでいたら慰めるといった行動ができるという。

CyberOneは全身に13か所の関節があり、合計21の自由度を備えている。ステージ上では、ダチョウ倶楽部さながらの「ヤー!」のポーズでLei氏とのセルフィーに応じていた。

ホンダがもう何年も前に製作しその開発を終えた「ASIMO」や、Boston Dynamicsの「Atlas」に比べてしまうと、現状ではXiaomiにおけるロボットの立ち位置がよくわからない。とりあえずは誰かが全身タイツを着ただけにしか見えないTesla BotよりはMetalなBloで間違いないが、Xiaomiは将来的に、産業分野ではたらくロボット、感情認識を備えたコンパニオンロボット、ビッグデータやクラウドコンピューティング活用の公共サービスを提供するロボットなど、様々な分野に応用していけると予想している

Lei氏いわく、現時点ではCyberOneの価格は1体あたり60万〜70万元(約1,200〜1,400万円)にのぼり、大量生産に踏み切る判断を下すには、いましばらく時間がいるとのこと。花を手渡す以外に、実際に何ができるようになるかで世間の反応も大きく変わっていきそうだ。いつかトイレや風呂の掃除や、洗濯物を干して取り込み、たたむ作業までできるようになれば、きっと購入希望者も現れるだろう。

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