株価は下がり切っています

苦境の仏ゲーム大手Ubisoft、英レミントンのスタジオを閉鎖。他にも185人削減で生き残りかける

Image:Ubisoft

フランスに本社を置き、世界19か国に29もの開発スタジオを置く大手ゲームソフトメーカーUbisoftは、このたび、英レミントンにあるスタジオを閉鎖することを明らかにした。また、ほかにも独デュッセルドルフ、スウェーデンのストックホルム、英ニューカッスル・アポン・タインの各スタジオでも人員を削減することで合計185名の人員を削減する。

Ubisoftのレミントンスタジオは、F1の公式ゲームなどで知られるCodemastersから独立したスタッフと、任天堂のセカンドパーティデベロッパーとして活動していたRareからの人員が合流して2002年に設立されたFreeStyleGamesがルーツ。

FreeStyleGamesは、2008年にActivisionによって買収された後は音楽ゲームや『Call of Duty』シリーズなどのゲームを開発。現在のUbisoftレミントンスタジオになったのは2017年からで、『Tom Clancy’s The Division』シリーズや『Far Cry 5』の開発に携わった。

だが、Ubisoftは近年、巨額の予算を投入して開発した『Star Wars Outlaws』、『Skull and Bones』の販売が振るわず、オンライン対戦型シューティングゲームの『XDefiant』は、当初の評価はそこそこ良かったものの、自分に有利になるようゲームプログラムを不正に改変する「チーター」と呼ばれるプレイヤーの蔓延に悩まされる状態となり、十分な数のプレイヤーを獲得する前に開発を終了するに至った(ゲームサーバーは2025年6月3日まで稼働)。

同社は株価も長らく右肩下がりとなっており、『XDefiant』の開発中止を発表したときにはサンフランシスコ、大阪、シドニーのスタジオを閉鎖することを併せて発表。全体の従業員数は2022年に2万279人だったのが、2024年9月末の時点で1万8666人まで減少している。

このような状況から、一時は少数株主である中国の巨大企業Tencentが、株式の非公開化を条件に同社への投資を強化する、またはUbisoftを買収するといった話も持ち上がっていたが、Ubisoft創業者のイヴ・ギユモCEOが同社の支配を維持したい考えであることから、協議は進んでいない様子だ。

現在、同社は人気シリーズ『Assasin’s Creed』の最新作で、戦国時代の日本を舞台とする『Assasin’s Creed Shadows』の発売を3月に控えている。

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