偏重利用で同時故障を防ぐ

アイ・オー、“RAID1より壊れにくい”独自RAID技術「RAIDeX」発表

編集部:平山洸太

アイ・オー・データ機器は、独自のRAID機能「RAIDeX(レイドエックス)」を発表。同時発表の法人向けNAS製品「HDL4-LV(4ベイ/税込156,200円〜)」「HDL2-LV(2ベイ/税込94,600円〜)」「HDL4-LVU(ラックマウント/税込192,500円〜)」に導入・展開する。

RAIDeX対応の3モデル。左からHDL4-LV、HDL2-LV、HDL4-LVU

RAIDeXとは、2つのドライブを1つのボリュームとして使用する際に独自の制御を行うことで、HDDの同時故障を防ぐための技術。この機能自体は2014年発売の「HDL-Hシリーズ」から「拡張ボリューム機能」として搭載されてきたものだが、この度リブランディングが行われた格好となる。

同社はRAIDeXを利用しているユーザーについて、2014年以来「データ前消失事案はゼロ」だと強調。冗長化構成の崩壊が発生する確率についても、RAIDeXは0.01%、RAID6は2.73%、RAID5は5.08%、RAID1は0.74%、RAID0は8.78%だと説明する。

冗長化構成の崩壊発生率

RAIDeXは、2つのドライブにファイル単位で書き込むが、読み込み時には1つのドライブしか使用しないことで、あえてHDDの負荷を偏らせるという仕組み。RAID1のミラーリングでは、同じロットのHDDを使うと故障タイミングも同時期になるリスクがあるが、本機能ではそれを抑制できるという。

RAIDeXの仕組み

リビルド時間の短さも特徴としており、たとえばRAID6/5/1では161時間のところ、RAIDeXでは53時間に短縮できるとアピール。これによってリビルド中に発生するHDDの故障リスクも防げるとした。

今後の展開としては、外付けHDDにバックアップとスナップショットを取得する『(仮)exスナップショット』を開発中とのこと。この機能では、スナップショットもバックアップの復元も即座マウントを実現するという。

また、RAIDeXに加えてオフラインバックアップが行える3ベイモデル「HDL2-HB」も4月に発売予定。通常オフラインバックアップは外付けHDDなどを接続する必要があるが、本モデルでは3ベイのうち1ベイを使用し、装置内だけで定期世代バックアップが行える。

「HDL2-HB」

そのほか同社は、あえてアナログ的手法を用いることで、コストを抑えながらもセキュリティを高める発想を導入していくことをアナウンス。たとえば既存の「HDL-HAシリーズ」では、設定画面に入る際にIDとパスワードだけでなく、装置前面を押さないとログインできない「ワンタッチ機能」を導入していることをアピールしている。

前面のボタンを押さなければログインできないため、総当たり攻撃も防止できる

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