PCゲームからスマホへの移植ノウハウも貯まっているため

Nintendo Switch 2、PS5ゲームからの移植は「PS4からスイッチ」より簡単か

Image:Nintendo/YouTube

Nintendo Switch 2(以下、スイッチ2)は「携帯ゲーム機と据え置きゲーム機のハイブリッド」を現行のスイッチから引き継いでおり、消費電力や発熱の制限からもCPUの処理能力はさほど高くないとみられている。搭載SoC「T239」も、数世代遅れの7nm~8nmプロセスになる見通しである

だが、PS5など他の高性能プラットフォームからの移植に際しては、さほど大きな問題にならないとゲーム開発者が主張している。

任天堂ファンが集うFamiboardsのユーザーMattAgain氏は、ビデオゲーム業界で長年活躍してきた開発者として知られており、主にマルチプラットフォームのゲーム移植につき貴重な知見を提供してきた人物である。

同氏はスイッチ2のシステムにつきコメントし、そのCPUは現世代ゲーム機の標準から最も逸脱(性能が低いという意味で)している部分だと指摘。しかし専用ゲームを一から開発している誰もがそれに不満を抱いていないため、懸念事項にはならないと強調している。

ただし移植に取り組む開発者からは、小さな不満が上がっているという。グラフィックリソースに関しては比較的ラクにGPUにスケーリング(ゲーム解像度の調整)できるものの、CPUへの最適化作業はもう少し手間がかかるようだ。

CPUへの最適化作業は、電力消費の多いx86(Windows PCゲーム)からモバイルArm CPU(スマホ用ゲーム)への移行を考えると想定外ではない。よって、当面はスイッチ2のCPUが障害になることはないという。全体としてPS5のゲームをスイッチ2に移植するのは、PS4のゲームを初代スイッチに移植するよりもはるかに簡単になる見込みとのことだ。

初代スイッチはPS5やXboxとのAAAマルチタイトルに恵まれず、任天堂IPのゼルダやスーパーマリオ、ポケモン等のシリーズ作品、国内サードパーティによるもの(PS4から数年遅れで移植というケースもあり)、それに要求スペックが高くないインディーゲームに支えられている感があった。

スイッチ2は海外の大手パブリッシャーが参入を検討していると噂されている。たとえばマイクロソフトは『Microsoft Flight Simulator 2』『Halo: The Master Chief Collection』『ディアブロ IV』『Starfield』の移植に取り組んでいるという。またユービーアイソフトもスイッチ2に「大きく賭けて」おり、最新作『アサシン クリード シャドウズ』も投入するといわれている

これらAAAタイトルは、スイッチ2上ではPS5やXbox Series Xとは同じ体験とはならず、グラフィックもかなりの妥協を迫られるだろう。それでも、携帯ゲーム機で楽しめる恩恵は大きそうだ。

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