それぞれに思惑
イーロン・マスク、中国のX禁止は「アンバランス」と不満を述べる
Xを所有する大富豪イーロン・マスク氏は、中国が長年、同国内でのXの使用を禁止していることに対し、「TikTokがアメリカで運営できるのに、Xが中国で運営できない現状はアンバランスだ」と述べ、「何かを変える必要がある」と主張した。
「この件は、テスラの最高経営責任者が中国での自身の事業利益を守ることと、次期大統領および政府の効率化担当大臣の腹心としての役割を担うこととの間で利益相反が生じる可能性がある」とArs Technicaは指摘している。
一部アナリストは、中国政府が中国からの輸入品の関税引き上げをうたうトランプ大統領との緩衝役として、マスク氏に期待していると考えている。中国当局は最近、TikTokをマスク氏に売却することを検討しているとも伝えられていた。
また、マスク氏の会社のひとつであるテスラは、第3四半期の売上高のほぼ1/4を中国から得ており、上海Giga Factoryで生産した電気自動車は諸外国にも輸出されている。
中国外務省のスポークスマンはマスク氏の「何かを変える必要がある」との発言について、中国でビジネスを行う諸外国企業は現地の法規制に従う義務があると述べている。またトランプ氏が就任前に打ち出したTikTokを米国との50%ずつの合弁事業にするという提案には「中国企業の運営や取引は中国企業が自主的に決定するべき」だとコメントした。
中国国営の報道機関である新華社は、マスク氏がトランプ氏の大統領就任式で中国副主席である韓正氏と会談し「韓氏は、テスラを含む米国企業がチャンスをつかみ、中国の発展の成果を共有することを歓迎した」と報じている。
- Source: Ars Technica