広告表示もAI強化にコンテンツを使用されることもありません
Instagram風分散型写真SNS「Pixelfed」の公式モバイルアプリがリリース
Instagram風の写真SNS「Pixelfed」がiOS / Android用モバイルアプリとしてリリースされた。これまでもサードパーティがモバイルアプリを提供していたが、公式としては、これまではウェブブラウザーでアクセスする方式を採用していたため、アプリの提供開始はユーザーにとってより良好な利便性を提供するはずだ。
Pixelfedは2018年に開始した写真投稿SNSで、Instagramに似たUIをユーザーに提供しているのが特徴。分散型SNSプロトコルのActivityPubを使用しており、Mastodonをはじめとする同プロトコルを使用する他のSNSのコンテンツも見ることができる。
また他の特徴として、Pixelfedは広告表示もなく、ユーザーデータを解析のために第三者に共有したり、AIの強化学習素材として使うこともないとされている。ユーザーフィードにコンテンツ推奨アルゴリズムを使用していないため、常に純粋な時系列のタイムラインを見ることができ、ハッシュタグやジオタグなどで写真を検索することもできるプライバシーが重視されている。
Instagram(とFacebook)は先日、親会社であるMetaのマーク・ザッカーバーグCEOが投稿に関するファクトチェックを廃止すると発表した。その際、ザッカーバーグ氏はファクトチェックによってSNSが「政治的に偏り、信頼性を破壊した」とまでコメントしたが、ファクトチェックをなくしてしまうことで、有色人種やLGBTQなどへの差別・中傷や煽るようなコメントの増加が懸念されている。
こうした動向から、ここ最近はInstagramからPixelfedへのユーザー流入が急増している模様だ。Pixelfedは、1月12日に、ユーザーに対し、トラフィックがこれまでに無いほど増加しており、サービスを維持し続けるために追加のリソースを投入すべく努力している」と述べている。
一方、BlueskyユーザーのAJ Sadauskasは、FacebookやInstagramからPixelfed へのリンクがMetaによってスパム認定され、自動削除されていること発見した(ちなみに、Metaのサービスに投稿されたマルウェアサイトや詐欺的サイトへのリンクは削除されていないとの報告もある)。
このことはテクノロジーニュースサイト404Mediaも確認して報じており、MetaはPixelfedの最も大きなサーバーであるPixelfed.socialへのリンクを含む投稿を、自動的にスパム投稿とみなして削除しているとのことだ。
世界最大規模のSNS企業がやるにしてはみみっちい話だが、イーロン・マスク氏が買収したあとのX(旧Twitter)も、過去にはユーザーが投稿したTheradsなどへのリンクを意図的に表示しにくくしていたと報じられたこともあった。