A17 Proが余ってる?

「第11世代iPad」、A17 ProチップとRAM 8GB搭載でApple Intelligence対応か

Image:VGV MEDIA/Shutterstock.com

アップルが「第11世代iPad」をまもなく発売すると噂されるなか、このデバイスにA17 Proチップが搭載されると著名ジャーナリストが主張している。本製品はApple Intelligenceに対応すると見られていたが、最終的にどのチップを採用するかは不明だった。

同社の未発表製品に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、新たな廉価モデルとなる第11世代iPadはA17 Proチップと8GB RAMを搭載すると報じている。

これが本当であれば、少し意外な動きではある。なぜなら、A17 ProおよびM3シリーズチップの製造に使われた第1世代の「N3B」プロセス(TSMCの3nm技術)は順調ではなく、アップルは稼働を辞めたがっていると思われていたからだ。

このプロセスは歩留まりが良好ではなく、性能的にも前世代のチップと比べてさほどの向上がなかった。2023年末に初のM3チップをMacに投入してから約半年後、「iPad Pro」にM4チップを導入したのも、製造コストや歩留まりに優れた第2世代の「N3E」への移行を急いだためだろう。

また、ここ数年アップルは旧世代のチップをiPhone廉価モデルに搭載する戦略を行っていた。「iPhone 14シリーズ」ではProモデルに最新のA16チップを使いつつ、標準モデルには前世代のiPhone 13シリーズと同じA15チップを搭載というぐあいだ。

「iPhone 16シリーズ」では慣例が破られ、すべてのモデルにA18シリーズチップが搭載された。これらの動きから、アップルは第1世代3nmプロセスの使用を終えたかに見えた。

その後、「第7世代iPad mini」にA17 Proが搭載されたものの、それほど驚きではなかった。理由の1つは、iPad miniは生産量が少ない製品であり、主流ではないこと。もう1つは、iPhone 15 Pro版よりもGPUコアが1つ少なく、おそらくビニング版(低品質なものを他の製品に振り分ける)だと推測されることだ。

しかし、第11世代iPadはより出荷台数が多い廉価モデルである。それほどビニング版A17 Proが余っているのか、それとも今なおN3Bプロセスを稼働しているのかは明らかではない。

いずれにせよ、A17 ProとRAM 8GBは現行モデルのA14チップ/RAM 4GBから大きな飛躍となり、コストパフォーマンスは高くなるだろう。アップルは廉価モデル向けにも新型「Magic Keyboard」を開発中と噂されているが、そちらは安くないかもしれない。

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