日本未導入モデルです
【動画】BYDの無人自動運転ハイパーカー、路面の凹みやマキビシをジャンプして回避
中国の自動車メーカーBYDは、同社の1287馬力の高級電気スポーツカー「YangWang U9」 の新たな宣伝動画を公開した。
このスポーツカーが搭載するアクティブサスペンション「DiSus」は、4輪合計で1トンを超える力で車体を瞬時に押し上げる力があり、同時に急激に動作させることでこのスーパーカーを最大75mmジャンプさせることが可能だ。
自動車というのは、路面にタイヤを接地させ回転させることで駆動力を得る乗りものだ。逆に言えば、宙に浮いたクルマは加速も減速も操舵もできない。まして走行中にそれを行うことは、短時間とはいえ車を制御不能にすることになり、危険でしかない。
仮に、もっと高く飛翔する能力があるのなら、路上に倒れた人を発見したもののどうしても止まりきれないときに、その上を飛び越えて回避すると言ったこともできるかもしれないが、最大75mmのジャンプ力では無意味だろう。
ところが、BYDはこの機能を使ったデモンストレーション動画をさらに公開した。その動画では、無人のU9が自動運転で高速走行しながら路面にある3つの障害物(水が溜まったくぼみ、マキビシ、カラフルなライン)を飛び越える様子が映し出されている(車載カメラの映像では運転席も助手席も無人で、自動運転で走行しているように見えるが、リモートコントロールで走っている可能性は否定できない)。
この映像からはU9が供えるアクティブサスペンションは、水がたまった路面の陥没部や、米国で警察が違反車両に対して使うスティンガースパイクシステムのようなパンクを誘発する機材を飛び越えてそのまま走り去ることができる可能性があることがわかる(カラフルなラインを飛び越える意味だけは理解できなかったが)。
水たまりや陥没部分をジャンプで越えることができれば、車が汚れることもないし、凹みに洗車しなければならなくなる回数が減ることだろう。またマキビシをジャンプで回避する能力も、タイヤを破損する可能性を減らすことができるため、ドライバーにはメリットかもしれない(そして警察には目をつけられるかもしれない)。
U9のアクティブサスペンションは通常の(パッシブ)サスペンションとは違い、センサー、アクチュエーターその他電子機器を使用して、運転する状況に応じたセッティングに調整できるという。独ニュルブルクリンク・サーキットの北コース(ノルドシュライフェ)で最高速度391.94 km/hを叩き出すこのようなクルマ(が中国の道路を走るとき)には、雨天時や荒れた路面の走行時に車体の安定性を増すためにも、高度なサスペンションが必要なのかもしれない。
ちなみに、電気自動車であるYangWang U9は四輪それぞれを個別に駆動することが出来るため、右と左のタイヤを逆方向に駆動することで、戦車や港湾施設で使われるボブキャットのようにその場で方向転換をすることもできる。通路の狭い駐車場などでは、この機能は重宝するかもしれない。
- Source: New Atlas