Steam Deck2は数年先のこと

レノボ、携帯ゲーミングPC「Legion Go S」発表。SteamDeck以外で初のSteamOS搭載機

Lenovoは開催中のCES 2025にて、携帯型ゲーミングPC「Legion Go S」を発表した。Steam Deck以外では初めて公式にSteamOSを搭載したサードパーティ製品となる。

Legion Go Sには2つのバージョンがあり、Windows 11搭載版とSteamOS版が用意されている。Windows版は2025年1月、SteamOSモデルは5月に発売予定。日本での販売については、現時点では未定だ。

Image:Lenovo

Legion Go Sは8インチの1920×1200(アスペクト比16:10)タッチディスプレイを備え、120Hzの可変フレッシュレート対応。プロセッサーはAMDのRyzen Z2 GoまたはRyzen Z1 Extremeを搭載し、メモリは最大32GBのLPDDR5X RAM、ストレージは256GB、512GB、1TBのオプションがあり、microSDカードによる拡張も可能だ。バッテリー容量は55.5Whで、急速充電にも対応している。

またWi-Fi 6EやBluetooth 5.3に対応し、USB-Cポートを2つ、microSDカードリーダー、オーディオジャックを備えている。 重さは約725gで、同社のLegion Goのような取り外し可能なゲームパッドやキックスタンドはなく、コントローラー一体型である。

1月に出荷されるWindows版は、Ryzen Z1 Extremeと32GBのRAM、1TBのストレージを搭載し、価格は729.99ドル。5月にはRyzen Z2 Goと16GB/512GBで499.99ドルのSteamOS版と、同じハードウェア構成で599.99ドルのWindows版が発売される。Windows版とSteamOS版の価格差は、OSのライセンス料によるものだろう。

ValveでSteam Deckの開発に関わるローレンス・ヤン氏とピエール=ルー・グリフェ氏によると、Lenovoとの共同作業はまだ数か月しか経っておらず、SteamOSとの統合は完了していないとのことだ。タッチパッドやジャイロスコープ、ジョイスティックのRGBライティングとTDP構成(熱量の管理や冷却の設定)の調整が残っているという。

Image:Lenovo

またRyzen Z2 Goは、数日前にAMDが発表したばかりの新型チップだ。Steam DeckよりもCPUとGPUの世代が新しいことに加えて、より高い電力レベルが想定されているという。

Legion Goのプロダクトマネージャーによると、Legion Go Sは20W/30W/40Wが選択でき、15W以下のSteam Deckチップよりも高い性能を提供できる可能性が高いと述べている。負荷の高いゲームでは、2時間~2.5時間のバッテリー持続を目標としているとのことだ。

そしてValveのヤン氏とグリフェ氏は、今後も「SteamOSは1つだ」と語っている。すなわちSteam Deckの独占機能はなく、ハードウェア固有の調整を除き、Legion Go Sも同じアップデートを受けられることになる。

さらに、現在はLenovoが唯一のSteamOSデバイスのパートナーであり、他社によるSteamOSデバイスの開発は行われていないとのこと。しかし、グリフェ氏はまもなくSteamOSの新たなベータ版を公開し、他の携帯ゲーミングPCでも動く可能性があると仄めかしている。

ほかLenovoは今回のCESにて、脱着可能なコントローラーと8.8インチの有機EL画面を搭載した従来モデルの後継機「Legion Go 2」のプロトタイプを公開している。こちらは、SteamOSを搭載する「具体的な計画」は今のところないと述べられている。

Image:Lenovo

なお、以前Valveは「Steam Deck2」を開発中としながらも、数年後のことだと表明していた。AMDのZ2発表後、Steam DeckのZ2版が出るのでは?との声に対して、そのつもりはないとキッパリ否定している

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