AGI実現の資金調達のため
OpenAI、ついに「営利企業に転換」へ。マスク氏やザッカーバーグ氏は強く反対
OpenAIはついに、営利企業に移行することを明らかにした。汎用人工知能(AGI)を実現し、全人類に利益をもたらす目的から再編に踏み切るという。
同社の理事会はブログ記事にて、2025年中に営利部門を公益法人(PBC)に転換する計画を述べている。PBCとは、公共の利益を重視しながら、株主など利害関係者に利益を還元しようとする企業形態のことだ。
OpenAIは「2025年を迎えるにあたり、我々はラボやスタートアップ以上の存在にならなければならない。永続的な企業になる必要がある」と述べ、競合するAI企業の多くがPBCであることを付け加えている。その中にはAnthropicや、イーロン・マスク氏のxAIも含まれる。「この動きにより、この分野での他社と同様に、通常の条件で必要な資本を調達できるようになる」とのことだ。
これまでOpenAIは「非営利団体が営利子会社を監督する」構造となっていた。だが、今後はPBCが「OpenAIの運営と事業を運営・管理」する一方、非営利団体側は医療、教育、科学等で慈善事業を推進しつつ、PBCに対しては株式を持つに留まり、監督の権限を失う見通しだ。
OpenAIが営利企業に移行するとの噂は、同社がAIモデルに莫大なデータを与えたり巨額のサーバー維持費を賄うための資金調達を探っていることから、数か月前から渦巻いていた。9月、Bloombergはサム・アルトマンCEOが営利企業化の一環として7%の株式を受け取ると伝えたが、本人は否定したとの報道もある。
今回の記事で、理事会は「大手企業がAI開発に投資している数千億ドルもの金額は、OpenAIが使命を追求し続けるために本当に必要なものを示している」として、資金調達の必要を強調している。そして投資家も支援したいと望んでいるが「この規模の資金は、従来の株式と、より特別ではない構造が必要だ」とのことだ。
OpenAIが計画を実行に移すにあたり、一筋縄ではいかない可能性も高い。先月、マスク氏は同社が営利目的となることを差し止める4度目の提訴を行っていたことに加えて、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOも米カリフォルニア司法長官に同様の措置を求める書簡を送っていた。