慣れればすぐにできるそうですが、日本車の方が簡単です

購入後2年ほどのテスラ車内に、覚えのない“足臭・チーズ臭”が漂い始めたらすべきこと

Image:logoboom/Shutterstock

テスラを購入した人たちは、乗り始めてから2年ほど経つと、車内に汗ばみ蒸れた後に発酵したような、または匂いきつめなチーズのような香りが漂い始めたという経験をよくする。そして、別に自分や家族に水虫・ワキガを患う人がいるわけでも、車内にチーズバーガーの食べ残しを放置したわけでないにも関わらず、そんな臭いがし始めることに戸惑う人も多い模様だ。

ではなぜテスラ車ではそんな臭いがし始めるのだろうか、最近、購入後2年ぐらいのテスラ・Model 3が臭いはじめたという電気自動車情報サイトElectrekの記者は、それがエアフィルターのせいだと他のテスラオーナーから教えられたという

自動車のエアフィルターといえば、主にエンジンに導入する空気から異物を取り除くフィルターと、車内の空気を浄化するためのエアフィルターの2種類がある。後者はエアコンフィルターと言う方がわかりやすい。そして結論から言えば、今回の異臭の原因もエアコンフィルターのほうだった。

中古車のエアコンを動かすと、なんとも言えない臭いがルーバーから吹き出してくるのはよくあることだ。日本の場合は湿潤な気候ということもあり、フィルターにカビが繁殖するのが主な原因だが、今回の話題のテスラ車は米国で使われているものであり、また記者はこれまで乗ってきたテスラ以外の車では、エアコンフィルターから異臭がする経験をしたことは無いという。

ただ、当然ながらエアコンフィルターも長く使っていれば車内の空気中に漂うホコリやゴミ、汚染物質が蓄積して目詰まりが発生し、最終的に雨が降って湿度が高くなったときなど、臭いが伝わりやすくなったときに悪臭を放ち始める。

テスラは、エアフィルターを2年ごとに交換するよう推奨している。今回の事例もちょうど購入から2年が過ぎたころからの臭いだったそうだが、テスラオーナーのなかには1年半ぐらいで臭いだしたという人も多い。

そして、多くの自動車はメーカー点検時にエアコンフィルターを点検し、劣化していれば交換作業を(多くは有償で)してくれるものだが、テスラはこの作業をユーザーが自分で行うものと定めているという。

Image:Tesla

とはいえ、日本の自動車メーカーの多くが、グローブボックスを外すだけですぐ交換できる位置にエアコンフィルターを配置しているのに対し、テスラ車はセンターパネルの後ろにエアコンフィルターがある関係で、DIYでこれを交換しようとすると、人々は助手席(右ハンドル車では運転席)の足下中央側の内張りを剥がし、懐中電灯で照らしながら前方の狭いスペースに手を伸ばし、ドライバーでいくつかのネジ留め部分を外して、ようやくフィルターにアクセスできるようになっている(YouTubeで「Tesla Cabin Filters」を検索すると、交換方法の解説動画がたくさん見つかる)。

最終的に、この記者は自分で作業を完了でき、ようやく悪臭から開放されたと報告した。だが、テスラがウェブサイトで解説している文書や動画ほど簡単に交換できるわけではないため、いつかテスラがユーザーがDIYで交換作業をしやすくなるより良い方法を思いつくことを期待しているとのことだ。

なお、テスラユーザーのなかには、Model 3やModel Yではエアコンフィルターの異臭にくわえて、エバポレーター(熱交換部分)で発生するドレン(結露水)がきちんと排出されず、エアコンフィルターの下面に浸潤するという設計上の問題があり、これがフィルターに捉えられた木の葉やホコリ、小さな虫などの異物を湿らせた状態に留め置くせいで腐敗が進行し、異臭を悪化させると指摘している者もいる。そしてそのため、テスラが2年ごとを推奨しているフィルター交換作業を、毎年行っているユーザーもいるという。

ちなみに、自動車DIY系YouTuberのAdam Davenport氏はこの問題について独自に調べ、テスラ車の排水経路の設計が他の自動車メーカーと異なっている点を指摘している。

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