実は以前やっていました
OpenAIがヒト型ロボット開発を「検討開始」との報道
OpenAIは名前のとおりAI開発企業だが、報道によると現在、ヒューマノイド、つまりヒト型ロボットを自社開発するかどうかを検討している模様だ。
テクノロジー情報ニュースサイトThe Informationは、事情に詳しいという複数の人物から、OpenAI内部でヒューマノイド開発が議題に上がっているとの情報を得たとしている。ただ、あくまで検討を始めたという段階のようで、いつ頃導入したいのか、どのような用途を目的とするのかはわからない。
2024年2月にOpenAIは、評価額26億ドルのFigure AIが行った6億2500万ドルの資金調達ラウンドを支援し、同社が開発するヒューマノイド「Figure 02」にOpenAIのAIモデルを提供、音声コマンドによる処理を可能とした。また、自動車メーカーのBMWは、Figure 02を工場の生産ラインで活用するテストを実施した。
一方でOpen AIは、ノルウェーに拠点を置くFigureのライバル企業である1X、そして汎用AIを開発するPhysical Intelligenceにも出資している。
すでに複数のヒューマノイド開発ベンチャーを支援しているOpenAIになら、いまから敢えてヒューマノイドを自社開発するよりも、これらの企業とともに目的を達成するほうが理にかなっているように思える。あるいは、最近新たに調達した66億ドルを使って、有望なヒューマノイド開発ベンチャーを買収する選択肢もあるはずだ。
10月末には、OpenAIはBroadcomおよびTMSCと共同で、推論に重点を置いたカスタムAIチップの開発に取り組んでいることが報じられていた。
現実的な流れとしては、OpenAIはこれらの提携関係を利用し、ヒューマノイド ロボットに搭載するAIを動かすのに最適化した、カスタムプロセッサーを開発する可能性が考えられる。カスタムプロセッサーは特定の用途のために最適化して設計される専用チップのことだ。
ちなみにOpenAIは、以前は社内にロボット開発部門を持っていた。この部問ではヒューマノイド開発に向け、片手だけでルービックキューブを全面揃えられる5本指ロボットを開発したり、ロボットに搭載するAIソフトウェアを訓練するためのツールキットRoboschoolを開発、オープンソース化した。
このロボット部門は、上記のような取り組みを通じてAIを活用するロボットの研究を追求していたが、急激に加速していくAI開発につれロボット開発が追いつけなくなり2021年にひっそりと閉鎖された。
だが、それから3年間が過ぎる間に、AIシステムだけでなくハードウェアにも進歩があった。OpenAIが再び独自のヒューマノイド開発に手を染めるのであれば、先行するライバルに追いつくために多くのことをこなす必要がありそうだ。
- Source: The Information
- via: TechCrunch