「画面に穴のないiPhone」が先に実現?

完全にベゼルのないiPhone、2026年までの発売は困難か

Image:guteksk7/Shutterstock.com

アップルは完全に画面ベゼルをなくしたiPhoneの開発に取り組んでいるが、技術的に大きな課題に突き当たっており、当初予定していた2026年までに発売できない可能性があると報じられている。

韓国の電子業界誌The Elecによれば、サムスンディスプレイとLGディスプレイが「ゼロベゼル」iPhone用の有機ELを開発しているものの、まだ量産の時期は不明だという。もともとアップルは2025年~2026年に発売する予定だったが、いまだにパネルメーカーとの「技術的な議論」を続けているとのことだ。

アップルの描く構想は、過去のサムスン製品やシャオミの4辺曲面型のような、いわゆる湾曲エッジディスプレイの実装とは大幅に異なるようだ。そうした製品の画面端で起こりやすい「虫めがね効果」(表示内容が拡大して見える)を避けることに、特に力を入れていると伝えられている。

同社が望むゼロベゼル画面は、iPhoneの特徴である「フラットなディスプレイと角ばった側面」を維持しながら、画面をエッジ部分までシームレスに拡張した、現行Apple Watchに似たデザインだという。一部の業界関係者は、これを「小石のよう」と表現している。

しかし、技術的なハードルは依然として極めて高いようだ。サムスンとLGが要求に応えるには、有機ELパネルを湿気や酸素から保護する薄膜封止(TFE)や、湾曲したエッジ部分を貼り合わせる光学透明接着剤(OCA)など、2つの技術を適応させる必要がある。またiPhoneの側面にはアンテナなどの部品もあり、十分なスペースを確保しなければならない。

特にOCAは、側面から見た際の歪み問題が完全に解決できておらず、また衝撃により損傷する懸念も残っていると伝えられている。

アップルはベゼルの薄型化を着実に進めており、iPhone 16シリーズでも下部ベゼルを薄くするBRS(Border Reduction Structure)を導入していた。そうして「削る」ことを重ねてきたが、「なくす」までの道のりはまだ遠そうだ。

The Elecは、昨年8月にサムスン関係者が「アンダーパネルカメラ(UPC)とゼロベゼルコンセプト製品を準備している」と述べたことに言及している。

UPCとは画面に穴を開けずに自撮りカメラの視界を確保する技術であり、やはり2026年のiPhoneに実装を目指しているとの報道もあった。「iPhone 18」ではゼロベゼルにならないものの、「真の全画面iPhone」には一歩近づくのかもしれない。

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