2023年8月11日公開
ゲーム『グランツーリスモ』がハリウッドで映画化。監督は『第9地区』のニール・ブロムカンプ
ソニーは、PlayStationの人気カーシミュレーター『グランツーリスモ』の映画化企画が進行しており、2023年8月11日に公開予定であることを認めた。本作は、『第9地区』や『エリジウム』、『チャッピー』といったSF作品を手がけてきたニール・ブロムカンプ氏がメガホンを取る。
カーレースを主体としたゲームをどうやって映画化するのか?と思う人も多そうだが、この映画はかつてSCE(現在のSIE)が日産自動車とともに行い、グランツーリスモの上位プレイヤーからプロドライバーを養成するプログラムとして注目された「GTアカデミー」を題材として、プロレーシングドライバーになることを目指す10代のゲーマーの戦いにフォーカスした内容になるとのこと。
映画の制作はごく初期段階にあるとされ、情報はあまり流れてきていない。ただ、脚本は『アメリカン・スナイパー』のジェイソン・ホールが執筆するとのことだ。
実際のGTアカデミーでは、ルーカス・オルドネス、ヤン・マーデンボローといったドライバーが頂点に立ち、日産所属のプロレーシングドライバーとして現実のレースにデビューした。彼らは主に、ツーリングカーレースやル・マン24時間レースなどに参戦した。なかでもマーデンボローは、2020年まで日本のSuper GTに参戦して活躍していた。
ゲームとしてのグランツーリスモは、1997年に第1作がリリースされて以来、常にPlayStationの看板タイトルのひとつとして君臨している。美しいグラフィックに始まり、走行中の車体の挙動の再現性、さらにカードレスアップの楽しみまでを盛り込んだ、本格的ドライビングシミュレーターまたはカーライフシミュレーターとして高い評価を得てきている。最新版の『グランツーリスモ7』は、 PS5版とPS4版がそれぞれ3月に発売されたばかりだ。
なお、GTアカデミーは2016年いっぱいで終了している。現在のグランツーリスモは、前作『グランツーリスモSport』からeSports競技として定着し、ゲーム作品として初めて国際自動車連盟(FIA)の正式競技「FIAグランツーリスモ選手権」を2020年、2021年に開催。その年間チャンピオンはF1をはじめとする各カテゴリーのチャンピオンドライバーとともに、FIA年間表彰式に出席した。日本国内では、国体の文化プログラムとして全国都道府県対抗eスポーツ選手権の1種目にもなっている。
ちなみに、『第9地区』続編も始動したとウワサされるニール・ブロムカンプ監督は大のゲーム好きを自認しており、2020年にはUbisoftやEAからの開発者が設立した新興ゲームメーカーGunzilla GamesにCVO(Chief Visionary Officer)として加わったことが報じられていた。そういった背景からも、今回の映画を監督することは、本人にとってその手腕を存分に発揮できる機会かもしれない。
- Source: Deadline