アップルの「ぜんぶ自社製品」の強みがGoogleにはナシ

Google、スマートウォッチの記録を「TVでリアルタイム表示」計画中か

Image:agencies/Shutterstock

Googleの初スマートウォッチ「Pixel Watch」はまだ発売されていないが、GoogleがOSを提供する他社製品を含めたフィットネストラッカー機能と、Google TVやAndroid TV(いずれもスマートTV向けOS)との統合を計画しているとの噂が報じられている。

米ニュースメディアProtocolによると、GoogleはTVパートナーとの非公開イベントでこの計画を打ち出したという。それによると、Wear OSとFitbitのユーザーが、心拍数や消費カロリーなどの指標をリアルタイムでテレビ画面に映せるようになるそうだ。さらには、スマートホーム制御の改善も視野に入っているとのこと。

とはいえ、このうちフィットネス計画は早くても2023年からであり、スマートホームの取り組みはその翌年となると報じられている。すぐに実行に移せないのは、Googleの提携先が、より強力なスマートTVやストリーミング機器を作ることを待つのも理由の1つだそうだ。

また短期的には、Googleは自社製品におけるワイヤレスオーディオの強化に取り組んでいるとも伝えられている。Nest Audioをテレビと無線でつなげたり、ワイヤレスイヤホン「Pixel Buds」とGoogle TVデバイスをFast Pairを通じて簡単にペアリングする、といった具合だ。

これらは全て、アップルが自社サービス「Apple Fitness+」(日本では未提供)とApple TVやiPhone、iPadとリアルタイムに連携させていることを思い起こさせる。

ただしアップルの場合は、iPhoneやApple Watchにバージョンの違いはあるが、すべて自社製品のために連携が取りやすく、統一した体験の提供も難しくはないはずだ。そのエコシステムは、常に「囲われた壁」の中にあるといえる。

しかし、Googleの関わったOSは様々なメーカーの製品に搭載されており、それぞれ独自のカスタマイズが加えられている。たとえばPixel Watchに搭載されるWear OS 3は、Galaxy Watch 4に搭載されたWear OS Powered by Samsungとは異なるものになるだろう。

こうした製品の断片化は多様性をもたらす面もあり、必ずしも悪いとはいえない。だが、これらを連携させる上でGoogleに “成長痛” をもたらすだろうと、テックメディアのThe Vergeは予想している。

Protocolによれば、Googleはこれらの機能を実現するために、Android TVやGoogle TV搭載製品のメーカーに、Bluetooth 5.0対応を要求したり、アプリやシステムアップデートのために16GBのストレージを搭載するよう強く呼びかけているという(自社製のChromecast with Google TVには8GBしか積んでいないが)。そうした努力が連携ばかりでなく、全般的に製品の性能底上げに繋がると期待したいところだ。

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