アナリストMing-Chi Kuo氏が予測

アップルが開発中のヘッドセット、スムーズなAR/VR切り替えが「重要なセールスポイント」の1つになる噂

Image:Max kegfire/Shutterstock.com

アップルが長年にわたり開発中と噂のAR(拡張現実)/VR(仮想現実)ヘッドセットは、先日のWWDC 2022(開発者会議)でお披露目されることはなかった。まだヘッドセット本体の熱処理が解決できず、カメラやソフトウェア開発が遅れていると見られており、今のところ「発表は2023年1月」との説が有力だ。

そんななか、このヘッドセットはARとVRのモードを簡単に切り替えられ、それが大きなセールスポイントの1つになる可能性があるとのアナリスト予測が伝えられている。

アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、今やVR体験がどのようなものか、ARがどう機能するかは誰もが知っているとツイート。「しかし、ほとんどの人にとっては、ARとVRのスムーズな切り替えがどんな革新的な体験となるのか想像するのは難しい」という。

Kuo氏によれば、その体験こそが「アップル製ヘッドセットの重要なセールスポイントの1つ」かもしれない、とのことだ。

続けてKuo氏は、完全な複合現実型ヘッドセットとは、「ARとVRの両方に対応したハードウェアだけでなく、ARとVRを統合し、異なるシナリオに応じてスムーズに切り替えることができる能力」を持つものだと主張している。こう信じるからこそ、Kuo氏はアップル製ヘッドセットを表現するのに「AR/MR」を使っているそうだ。

最後にKuo氏は、本製品が2023年第2四半期に店頭に並ぶとの先日の予想を繰り返している。まず2023年1月にメディア向けイベントで発表され、発表後2~4週間内に開発者向けのツールキットを配布し、来年の世界開発者会議(おそらく6月)前に発売されるというシナリオだ。

ヘッドセットの開発は難航していると伝えられつつも、すでに取締役会ではデモが行われる段階に達しているとの報道もあった。そもそも、当初は強力な固定式ハブとセットにする(処理能力を外に置く)はずが、性能向上の難しいスタンドアローン型に変更されたとの噂話もあり、デモが可能な試作機までこぎ着けたことが驚きとも思える。

おおよそのハードウェア仕様は、2つのマイクロ有機ディスプレイと、1つのAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)パネルを組み合わせた「革新的な3枚ディスプレイ構成」と、手の動きや物体も検出できる高度なセンサーを搭載。さらに単体で高度なグラフィック処理を実現するため、14インチ/16インチMacBook ProのM1 Proチップと、同等のプロセッサを採用するとの噂もある

これだけの高性能であれば、価格に反映されるのもやむを得ないだろう。約3,000ドルとの予想もあるが、少なくとも第1世代で楽しめる人は(第2世代ではコストダウンを図るという観測もある)かなり限られることになりそうだ。

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