30万円近いWii…?
iPhoneやWiiのような革新性アピール?「アップルのAR/MRヘッドセット」来年1月発表か
アップルが開発中のAR/MR(代替現実/複合現実)ヘッドセットは、早ければ2023年1月に発表されるとの予想が有力視されつつある。そんななか、2023年内の出荷台数は150万台未満に留まり、価格は2,000~2,500ドル(約27万円~34万円)もの高価な製品になるとの予想が報じられている。
これはアップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏が、6月に発信した予想をさらに掘り下げたものだ。Kuo氏は「2023年1月に発表される可能性が高い」との見通しを繰り返しつつ、同製品を「2023年のアップルの新製品のうち、市場が最も期待している」と位置づけている。
しかし、この投資テーマは革新的なユーザー体験に対して疑念があることや、2023年内の出荷台数が150万台未満と少ないこともあり、市場の明確なコンセンサスは得られていないという。つまり、それほど多くの人がAR/MRヘッドセットを将来有望と信じ切れていない、という意味だろう。
アップルが早ければ1月に、メディア向けイベントを行う(可能性がある)理由はそのためとされている。それにより革新的なユーザー体験と2023年の少ない出荷台数に対する投資家の懸念を減らし、ヘッドセットの今後に対する信頼性が高まる見通しとのことだ。
さらにKuo氏は、このAR/MRヘッドセットが「iPhoneに次ぐ革命的な家電製品」になるかもしれないと述べている。これまでの革新的な家電製品、たとえばiPhoneや任天堂のWiiなどの成功は、発売前には想像も付かないような体験を提供したためであり、このAR/MRヘッドセットも多くの投資家が疑ってかかるのも妥当だろう、というわけだ。
かつて本製品は3,000ドルもの高価な製品になるとの報道もあったが、Kuo氏は2,000~2,500ドルの間になると予想している。価格が高くなるほど、出荷に影響が出るとも付け加えられている。ちなみに3,000ドル説の根拠としては、「マイクロソフトのHoloLens 2(3,500ドル)」よりは安いから、との説もあった。
またAR/MRヘッドセットの発表では、ユースケース(実際の使用事例)、ソフトウェア/サービス/開発エコシステム、ハードウェア仕様の詳細という3つのポイントに焦点を当てるそうだ。この場で投資家らに、今後の数年で急成長を遂げると納得させられれば、2023年内の出荷台数が少なくても懸念は減るだろうとしている。
「2023年内の」というのは、それ以降も新製品を投入し続けることを前提としているのだろう。以前Kuo氏は、アップルが2025年初頭に向けて第2世代の廉価バージョンを準備中と述べたことがある。もともとMacintoshも高価な製品だったが、やがてMacBook Airのように手頃なモデルにより普及したように、アップルのAR/MRヘッドセットも廉価モデルが出てからが本番かもしれない。