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マイクロソフトがAIツール「Copilot Vision」のプレビューを提供開始

Image:Microsoft

12月5日、マイクロソフトは米国内において「Copilot Vision」の限定的なプレビューの提供を開始した。実験的なAI機能であるため、月額20ドルのMicrosoftのCopilot Proプラン加入者しか、まだそれを試すことはできないが、この新機能はウェブページ上のテキストや画像を分析して、そこに記されている/描かれているオブジェクトに関するユーザーからの質問に回答できる。

この新機能は、マイクロソフトのEdgeブラウザーでのみ機能する。そして、ウェブページの閲覧中に、Copilot Visionはまるでユーザーの横に座っているかのように音声での会話に応答する。たとえば、いま見ているウェブページに関して、ユーザーが何か知りたいことがあれば、それを自然な会話でCopilotにたずねることができる。ショッピングサイトなら、どの商品が最も割引きされているかや、希望とする商品を選んでもらうようなことにも応えてくれる。

Copilot Visionにはテキストを要約または翻訳する機能や、ショッピングサイトのページ上にある割引き商品を強調表示するといった処理を行うことも可能だ。

より実用的な例を挙げると、たとえば博物館や美術館に行く計画を立てるなら、そのウェブサイトに関してCopilot Visionに事前に知っておくべきおすすめ情報をまとめてもらうというような使い方もできる。

なお、マイクロソフトはCopilot Visionがセッションごとにデータを削除し、使用中に処理された音声、画像、テキストは保存されず、AIモデルのトレーニングにも使用しないことを強調している。そして、Copilot Visionが参照できるウェブサイトの種類は制限されており、当面の間はこの機能が有料コンテンツや「センシティブな」コンテンツに関して使用されるのをブロックし、事前にマイクロソフトが許可した「ポピュラーな」サイトのみにアクセスできるとした。要するに現時点では、Copilot Visionはマイクロソフトがあらかじめこれを使っても大丈夫と判断したサイトのみで使えると思っておくと良さそうだ。

この説明は、SNSをはじめとするあらゆるサービスにおけるユーザーからのデータがAIのトレーニングに使われているのではないかという昨今の疑念に、事前に対処する意味合いもあるだろう。New York Timesは今年起こした訴訟で、マイクロソフトがBingのCopilotチャットボットで同紙の有料コンテンツを学習に使用し、そこで得た情報をユーザーに提供して支払いを回避させたと主張している。

多くのニュースソースとなるウェブサイトは、自社サイトのコンテンツデータが許可なくAIのトレーニングに利用されるのを防止するため、AI企業の巡回ツールが自社のウェブサイトからデータを読み取るのをブロックすることを選択している。マイクロソフトも、不正なデータ取得はしていないことを主張するため、各ウェブサイトが講じている「AIに関するボットによる読み取りの制御」を尊重すると述べ、著作権、クリエイター、そしてユーザーのプライバシーと安全を最優先するとした。そのうえで「私たちの協力者のなかには、サードパーティのパブリッシャーもいます。彼らは、人々が自分たちのページによりよく関わり、意思決定するためにVisionをどのように使えばよいかを理解する手助けをしてくれています」と述べている。

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