オンデバイスAIに全集中?

2026年の「iPhone 18」、Apple Intelligence強化のためRAM設計を刷新か

Image:Mojahid Mottakin/Shutterstock.com

アップルはオンデバイス(端末内で処理)AIのApple Intelligenceを推進するため、iPhoneのRAMを増やす方向にある。それを強化すべく、搭載RAMのパッケージングや、iPhoneのハードウェア設計そのものを変更する予定だと報じられている。

韓国の電子業界誌The Elec報道によると、アップル製品に搭載されるRAMの主要サプライヤーであるサムスンは、同社の要請を受けて、ディスクリート(個別)メモリパッケージに切り替えるための研究を開始したという。

現在のiPhoneは、LDPPR(低電力ダブルデータレート)RAMを直接SoCに積み重ねるPoP(パッケージオンパッケージ)方式だ。かたや新方式はRAMをSoCと別にパッケージ化する技術であり、RAMの帯域幅が大幅に改善され、‌AI機能が強化される見通しとのことだ。

現在のPoP構成は、2010年の‌iPhone‌ 4で初導入されたものだ。フットプリントを小さくできるため、内部スペースが限られるモバイル機器では重宝されていた。が、RAMパッケージのサイズがSoCのサイズに制約され、すでにI/O(入出力)ピンの数も上限に達しており、パフォーマンスの足かせとなっている。

それがディスクリートパッケージに移行することで、RAMをSoCから物理的に切り離し、I/Oピンの数を増やすことが可能となり、データ転送速度と並列データチャネルの数も強化できるはずだ。また、メモリをSoCと別パッケージにすれば、放熱性も向上する。

かつてMacとiPadは、すべてディスクリートメモリパッケージを採用していたが、M1チップの登場以降はMOP(メモリオンプロセッサー)に移行している。MOPはRAMとSoC間の距離を縮めることで転送遅延を減らし、電力効率を向上させる。M1発表時、アップルはRAMをCPUやGPUと同じカスタムパッケージに収めつつ、積み重ねずに配置していると説明していた

Image:Apple/YouTube

しかしiPhoneのように小型デバイスでディスクリートパッケージを採用した場合、RAM用のスペースを確保するためSoCやバッテリーを小型化するなど、設計変更が必要になる可能性もある。また電力消費が増え、物理的にSoCから離れることで遅延が増えることもあり得る。

さらにサムスンは、アップル向け次世代LPDDR6 RAM開発に取り組んでいるとも伝えられている。これは現行のLPDDR5Xの2~3倍のデータ転送速度と帯域幅を実現する見通しとのことだ。

そして開発中のバリエーションの1つであるLPDDR6-PIM(プロセッシング・イン・メモリ)は、RAMに処理能力を組み込むものだという。サムスンは、この技術の標準化に向けてSK hynixと競合関係を超えて協力しているとの報道もある

これらRAM仕様の変更は、アップルがSoCの小型化と内部レイアウトの最適化をクリアできれば、2026年の「‌iPhone‌ 18」シリーズから導入される可能性があるとのことだ。

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