クアルコムも買収話を打ち切り?

インテルのゲルシンガーCEO、わずか3年で退任。AIチップブーム出遅れの責任を問われる

Image:MacroEcon/Shutterstock

インテルのCEOを務めるパット・ゲルシンガー氏が、12月1日で退任したことを発表した。取締役会が新たなCEOを見つけるまで、CFO(最高財務責任者)のデビッド・ジンスナー氏と製品部門担当CEOのミシェル・ジョンストン・ホルトハウス氏が共同CEOを務めるとのことだ。

Bloomberg報道によると、ゲルシンガー氏は取締役会と、市場シェアの奪還とNVIDIAとの差を縮めるための進捗状況につき協議したという。その後「退任するか、解任されるか」の選択肢を与えられ、自らインテルを去ることを選んだと伝えられている。

ゲルシンガー氏は2021年にCEOとしてインテルに戻り、経営難に陥っていた同社の立て直しをボブ・スワン氏から引き継いだが、NVIDIAの躍進を後押ししたAIチップブームの波に乗り遅れ、新技術の発売も予定通りに進まず、最近のCPUがクラッシュする問題にも悩まされ、マイクロソフトのAI PCパートナーとしてもクアルコムに遅れを取っていた

最近クアルコムがインテルの買収を検討しているとの噂もあったが、その熱も冷めたようだ。同社のクリスティアーノ・アモンCEOは先月、「大規模な買収を行う必要はない」と述べていた

その一方、ファウンドリー(半導体受託生産)事業も思わしくない。今年初め、2023年には70億ドルの営業損失を出したことを明らかにし、8月には100億ドルのコスト削減計画の一環として1万5000人以上もの解雇に踏み切っている

さらに次世代の製造プロセス「A18」にまつわる問題が報告された後、チップ製造事業を分社化し、ポーランドとドイツでの半導体工場の建設を一時中断すると発表していた。

退任に際し、ゲルシンガー氏は「インテルのリーダーとして働けたことは、私の生涯の名誉だ」としつつ「我々全員にとって厳しい1年となった」との苦渋をプレスリリースにて述べている。

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