裸眼3Dはニンテンドー3DSが10年以上前に実現
中国テンセント、裸眼立体視対応の携帯ゲーミングPC「Sunday Dragon 3D One」発表
中国テンセントゲームズとインテルは、世界初の裸眼3D(立体視)対応を謳う携帯ゲーミングPC「Sunday Dragon 3D One」を発表した。テンセントが独自開発し、インテルが技術サポートを行っているとのことだ。
本製品はインテルのCore Ultra 7 258Vプロセッサーを採用し、32GBのRAM(LPDDR5X)と1TBの高速SSDを標準搭載する。本体はタブレット状であり、左右に着脱式コントローラーを取り付けるとNintendo Switchのような形状になる2-in-1デバイスだ。
ディスプレイは11インチの大画面で、2560×1440の高解像度と120Hのリフレッシュレートに対応。それ以上に注目すべきは、3Dメガネや補助アクセサリーなしに立体視効果が得られることだ。
これは、視線トラッキングセンサーと「画像インターレスアルゴリズム」を組み合わせることで実現しているという。
ただし、裸眼3Dに対応しているゲームは限られている可能性がある。テンセントによれば「Dark Zone Breakout:Infinite」「Sword and Soul」「Road of Exile」「Moon Knife of the End of the World」を “特別に最適化” しているとのことで、やはり修正作業が必要なようだ。
テンセントの担当者は「ゲームグラフィック技術の歴史において、3Dレンダリングからリアルタイムレイトレーシングまで、多くの素晴らしい技術革新があった。グラフィックはますます現実味を増している。もし2D画像を3Dの立体視に変換できれば、視覚体験はまったく新しいレベルに達するだろう」と述べている。
もっとも、3D Oneは実験的な製品とされ、ゲーム製品における裸眼3D技術の可能性を探求する面が強調されている。価格や発売日も明かされず、実際のリリースまでには時間がかかるかもしれない。
またテンセントは裸眼3Dにつき「世界初」だと主張しているが、任天堂が「ニンテンドー3DS」で裸眼立体視を打ち出したのは10年以上も前のことだ。またNubia(中国ZTEの子会社)の「3D Pad」も同じコンセプトを謳い、その第2世代では3Dディスプレイとアイトラッキングを改善したと述べている。
それでも、携帯ゲーミングPCとして最大級のディスプレイは魅力的ではある。価格や発売日など、続報を待ちたいところだ。