米司法省がGoogleにChrome売却を求めた直後のこと
OpenAI、Google優位に挑戦?サムスン製品へのAI搭載を協議、独自ブラウザ開発か
OpenAIは数か月前に検索エンジン「SearchGPT」を発表したばかりだが、Googleに対抗する複数の動きを起こしていると報じられている。
その1つは、独自ウェブブラウザの開発だ。ニュースメディアThe Information報道によると、最近OpenAIはAIチャットボットと組み合わせたウェブブラウザの開発を検討しており、検索機能を強化するために各社と個別に協議したり、契約を締結しているという。
同社の交渉相手は、Conde Nast、Redfin、Eventbrite、Priceline(いずれもオンラインでサービスを提供する企業)等であり、ウェブサイトやアプリの開発者に検索エンジンにつき話しており、製品のプロトタイプやデモを見た人々もいるとのことだ。
この動きは、米司法省がGoogleにオンライン検索市場における違法な独占を是正する措置として、Chromeブラウザを売却するよう求めた直後のことだ。もちろんGoogleは猛反発しているが、裏返せば経営を支える屋台骨が揺るがされている状況である。
もう1つは、OpenAIのAI機能をサムスン製デバイスに導入する交渉中というものだ。サムスンのGalaxyスマートフォンに搭載された「Galaxy AI」は、これまでGoogleの大規模言語モデルGeminiや「かこって検索」などを主軸としているため、やはり同社にとって不穏なニュースではある。
OpenAIとサムスンの協議は、OpenAIとアップルの協議を反映しているという。iOS 18.1以降に導入されたApple IntelligenceにOpenAIの技術が組み込まれていることは、何度も伝えてきたとおりだ。
半導体業界に詳しい金融アナリスト Dan Nystedt氏も今回の報道に言及しており、Googleに対する挑戦になる可能性があると指摘している。
サムスンがOpenAIに接近したのが事実として、それがGalaxy AIにおいてChatGPTがGeminiに取って代わるのか、ないし両社のAI技術が共に組み込まれたり選択可能になるのか、今のところ不明である。アップルもGoogleとGemini搭載につき話し合ったとの報道もあり、「AI技術を一社に依存せず、複数の企業を競い合わせる」方針かもしれない。
飛ぶ鳥を落とす勢いに見えるOpenAIだが、AI処理サーバーの費用(マイクロソフトからのレンタル等)やAIモデルの学習、人件費の負担が重く、大赤字が続いていると伝えられていた。アップルやサムスン以上に、OpenAIが収益化への道を懸命に探っている可能性が高そうだ。
- Source: The Information
- via: Wccftech