Wi-Fiのパスワード確認も

iOS 16、「アプリがクリップボードを読み取る許可を求める」プライバシー保護強化策を導入。ベータ版にて明らかに

次期「iOS 16」(今年秋に正式リリース予定)の開発者向けベータ版では、アプリ間でコピー&ペースト(つまりクリップボードを読み取る)際にはユーザーの許可を求めるようになったことが明らかとなった。

この話は2020年、iOS 14のプライバシー保護の一環として「アプリがクリップボードを読み取ると通知」機能が追加されたことに遡る。これによりアプリがユーザーの同意なしにクリップボード(プライバシーや銀行口座の情報などが含まれることもある)を読み取っていると通知されるようになり、ショート動画のTikTokやビジネス系SNSのLinkedInアプリも「キー入力があるたび読みに行く」挙動が可視化されていた。

iOS 16ではさらに一歩踏み込んで、アプリがクリップボードからコピー&ペーストしようとすると、まずユーザーに許可を求めることになる。もし拒否すれば、そのアプリはクリップボードにアクセスできなくなる。

これまでは、特定のアプリがクリップボードを読み取っていると警告が表示されるだけで、読み取りを止める方法がなかった。もしも気になるなら、アプリごと使うのを止めるしかなかったのだ。その点「読み取りを許可ないし拒否」方式であれば、アプリを使い続けながらクリップボードへのアクセスを遮断できるわけだ。

これはベータ版の話に過ぎず、現時点では少し一貫性に欠けているという。例えば許可を求めないアプリもあり、設定アプリ内にも「クリップボードを読めるアプリ」と「読めないアプリ」を簡単に選べるメニューもないとのことだ。

ほか「小粒だが便利」な新要素としては、現在接続しているWi-Fiネットワークのパスワードが確認できるようになったことだ。誰しも一度ぐらいは、前に繋いだことがあるWi-Fi環境なのにパスワードが分からない、でもiOS 15では見ることができない…という、教えるにせよ教えられるにせよ不便な思いをしたことがあるだろう。

それがiOS 16ベータ1では、接続中のネットワークをタップすると、新たな「パスワード」オプションが表示されるという。ここでFace IDやTouch ID、パスコードにより認証することで、Wi-Fiネットワークのパスワードが表示されるとのことだ。

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