スピーカー取り外しが困難に?
第2世代AirTag、2025年半ばに発売?通信範囲や無線チップ強化でストーカーが悪用しにくくなる可能性
アップルが忘れ物トラッカーAirTagを2021年4月に発売してから、すでに3年以上が経過した。第2世代モデルの開発が進んでいるとみられるなか、「来年(2025年)中頃」に発売予定であり、3つの点で大幅に改善されると著名ジャーナリストが主張している。
通称「AirTag 2」については数々の噂が伝えられてきたが、具体的な製品の仕様や発売時期が伝えられるのは今回が初のことだ。
同社の内部事情に詳しいBloombergのMark Gurman記者によると、第2世代モデルの開発コード名は「B589」で、「製造テストが進んでいる」とのことだ。これは、まもなく市場に投入されることを意味している。
現行モデルに対して、AirTag 2は次の3点が改善されるという。
- 通信範囲の拡大
- ワイヤレスチップの強化
- プライバシー保護の改善
通信範囲とワイヤレスチップの改善は製品の用途からも理にかなっており、容易く実現するだろう。初代AirTagには超広帯域(UWB)無線チップ「U1」が内蔵され、他社のBluetoothトラッカーよりも高い精度で位置を検知できるが、“iPhone 15シリーズ”や“Apple Watch Series 9”以降には第2世代の「U2」チップが搭載されている。
より注目すべきは、プライバシー保護の強化だろう。初代AirTagはスピーカーを取り外してストーカーに悪用される事件がたびたび生じていた。すでに被害を受けたと主張する人々からアップルに対する訴訟が起こされており、同社は取り下げ要求を行ったが却下されている。
最近のiOSおよびAndroidには迷惑なトラッカーを検出する機能が組み込まれているが、「どこ」かを見つけるには音を鳴らす必要がある。
Gurman氏は「新しいモデルの改ざん防止を強化することは、誰もにとって利益となる」と述べており、AirTag 2はスピーカーが取り外しにくくなる可能性を示唆している。
アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は「AirTag 2は2024年第4四半期に量産される可能性が高い」と述べており、今回の報道とも一致している。
Kuo氏は本製品が空間コンピュータVision Proと関係する可能性があるとも語っていたが、「ヘッドセットを被れば、室内の障害物を通して探し物が透視できる」こともあり得るかもしれない
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