有機ELに移行するまで液晶ディスプレイも改善?

M4 MacBook Pro、実は量子ドットディスプレイを採用か。色域と応答速度が改善

Image:Apple/YouTube

M4シリーズチップ搭載の新型「MacBook Pro」は、プロセッサーが更新され、外部ポートが追加されたほかは、前M3モデルとほぼ同じに見える。が、実は量子ドットディスプレイ技術を導入しており、より鮮やかで正確な色彩を実現していると専門家が指摘している。

ディスプレイ専門アナリストRoss Young氏によると、M4 MacBook Proでは従来の赤色KSF蛍光体フィルムに代えて量子ドットフィルムを採用しているという。主な違いはその一点であり、ミニLEDバックライト+液晶画面を使っている点は変わりないようだ。

アップルがMacBook Proの前モデルでKSFを採用したのは、量子ドット材料に有毒物質のカドミウムが含まれていることと、より効率的(つまりコストが安い)だからだという。

遡れば2015年、同社の幹部はiMacがP3ベースの広い色域に対応したとき、量子ドット技術を液晶ディスプレイに導入することを検討したが、カドミウムが必要なため却下したとコメントしていた

しかし、最新の量子ドットフィルムはカドミウムを含まず、KSF蛍光フィルムと同等かそれ以上の色域と動作性能(素早いピクセル応答速度)性能を備えているとのこと。

どちらもディスプレイの色域を広げる技術だが、KSFは赤の色合いを強調するのに対して、量子ドットフィルムはより広い色域を提供し、色の再現性が向上する。

アップルはM4 MacBook Proにつき、具体的な色域の改善を強調していないが、SDRの最大輝度は前モデルの600ニトから1000ニトに向上したことは明かしている

また、あるレビュアーはM1~M4 MacBook Proのモーションテストを並べてみたところ、明らかにM4モデルでのピクセルの応答はかなり高速化していると指摘している

2026年には有機ELに移行すると予想されているMacBook Proだが、それまでは液晶ディスプレイの改善が続けられるのかもしれない。

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