マグネティックマスクは便利そう

アップル、AI機能多数追加の「Final Cut Pro」と「Logic Pro」新バージョンをリリース

Image:Apple

アップルは、動画編集用の「Final Cut Pro」と楽曲制作用の「Logic Pro」、2つのソフトウェア・アプリの新バージョンを発表した。

Final Cut ProはMac版がバージョン11、iPad版がバージョン2.1となり、iPhone用の「Final Cut Camera」はバージョン1.1となった。いずれも既存ユーザーは無料でバージョンアップが可能、新規購入の場合はMac版が4万5000円、iPad版は1か月の無料試用期間ののち月額700円または年間7000円。iPhoneのFinal Cut Cameraは無料。

Mac版のFinal Cut Pro 11には、Mシリーズチップの能力をを最大限に活用したマグネティックマスク機能が搭載。この機能により、グリーンバックを使わずとも被写体を自動で切り抜くことが可能になった。これによってビデオ内の特定のオブジェクトや範囲にカラーグレード、露出調整、エフェクトを追加できる。

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また「キャプションに文字起こし」機能では、アップルが独自に強化した音声を書き起こし用の大規模言語モデルを使用して、タイムライン上にクローズドキャプション(字幕)を自動的に生成可能になっている。いくつかのレビューを確認したところでは、この機能は技術用語や専門用語のような、あまり使われない言葉などでは上手く字幕化できないこともあるようだ。その辺は、今後バージョンを重ねるにつれ改善されていくことが期待される。

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Final Cut Pro 11では、他にもApple Vision Pro用の空間ビデオの編集機能を含むいくつかのツールが追加されており、作業時間の短縮やワークフローの最適化が可能になっている。

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iPad版のFinal Cut Pro 2.1では、各種操作がApple Pencil ProとMagic Keyboardの触覚フィードバックに対応したことで、より確実な操作が可能となった。Apple Pencilに対応したライブ描画機能には表現力豊かな水彩、クレヨン、万年筆、モノラインペンのオプションで、ビデオにさらに多くのアニメーションを加えることが可能になった。

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iPhone版のFinal Camera 1.1は、LogエンコーディングされたHEVCビデオをスタンドアロンまたはLive Multicamセッションで録画が可能になり、ファイルサイズを抑えながら高品質な撮影が可能になった。録画中にLUTプレビューを有効にすることもできる。iPhone 16 Pro/Pro Maxなら、4K/120P録画も可能だ。

音響制作用のLogic Pro for Mac 11.1および Logic Pro for iPad 2.1にも新機能が追加されている。こちらは新たにルームシミュレーションプラグインとして「Quantec Room Simulator」が追加された。

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Quantec Room Simulator(QRS)とは、エコーやリバーブとは違い、室内空間の大きさなど、求める設定に応じたリアルな残響を音源に加えられる音響エフェクト機器。新しいLogic Proは、Quantec社の創設者Wolfgang Buchleitnerによるオリジナルの回路図、アルゴリズム、コードから構築されたエミュレーション技術により、自然な音響空間をサウンドに追加できるとのことだ。

Quantec Yardstick 2496 S
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この機能の搭載に関して、バンドGenesisなどの活動で知られる英国のミュージシャン、ピーター・ガブリエル氏は「Quantec Room Simulatorは長年にわたり私のサウンドの重要な要素であり、『パッション – 最後の誘惑 オリジナル・サウンドトラック』や『Us』などのレコードに使用しています。また、ライブ・セットの開始時にハーモニックドローンを作成するためにも使用しており、それが『Across the River』のような楽曲に発展もしました」「アップルがQuantec QRSをプラグインとして復活させ、世界中のLogicユーザーのために提供してくれるのは素晴らしいことです」とコメントを寄せている。

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