これまでは有料ユーザー限定

X、新AI「Grok-2」を一部地域で試験開放。ユーザー拡大が狙い?

Image:X, xAI

X(旧Twitter)は、これまで有料ユーザーにのみ提供してきたAIチャットボットGrokを、特定の地域で無料ユーザーにも開放するテストを行っているようだ。

この動きは、ユーザーからより多くのフィードバックを集めるとともにユーザーベースを拡大し、OpenAIのChatGPTやAnthropicのClaudeといった人気の高いAIチャットボットに対抗するためである可能性があるという。

GrokはXのオーナーである大富豪のイーロン・マスク氏が設立したAI企業xAIが開発したAIモデル。8月にはBlack Forest LabsのFLUX.1を統合したGrok-2が発表され、画像の生成および解析が可能になった。

ただし、Grokは現状、XのPremiumおよびPremium+加入者専用として提供されており、一般ユーザーには触れる機会がなかった。ただ、Xは最近開始したテストによって、ごく少数ながら無料ユーザーにこのAI機能を提供しはじめていると伝えられている。

その先には、次第に提供範囲を拡大してより多くのユーザーをGrokに呼び込みたい意図があるのかもしれない。より多くの人々がAIチャットボットを利用することで、XはユーザーがGrokとどのように接し、どこに改善が必要なのかについて貴重な気づきを得られるはずだ。

無料版としてテスト提供されているGrokは、Grok-2のStandardモデルで2時間ごとに10回、Grok-2のMiniモデルで2時間あたり20回までクエリー操作を実行できる。画像クエリーについては1日3回までとなっている。これはシステムへの負担を避けるためかもしれない。

ちなみに、Grokを無料で使用するには、アカウントが7日以上経過しており、電話番号がリンクされている必要がある。

ChatGPTやGoogleのGeminiなどはすでに数百万人のユーザーが利用している。無料でテストを行い、Grokを使うユーザーが増えれば、これら先行するAIチャットボットとの競争において、Grokの助けになることは間違いない。さらに、無料バージョンを試して、より深くこのAIの機能を使いこなしたいと考えたXユーザーが、有料プランに加入することも期待できそうだ。

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