自社設計のTensorチップ切り替えはコスト削減のため?
Google Pixelスマートフォンの返品理由、トップは「発熱」か
GoogleのPixelスマートフォンに搭載されているTensorチップは毎年パフォーマンスが向上しているものの、クアルコム等の競合チップよりも発熱しやすい傾向がある。
それをGoogleも自覚しており、将来のTensorチップ、特に「Pixel 11」シリーズ向けの「Tensor G6」では熱と電力効率の改善に重きを置くとの社内資料がリークされた。
未発表のAndroid製品に詳しいAndroid Authorityは、Googleから流出した資料を再現したスライド(おそらく著作権侵害を避けるため)を公開している。
それによれば、Pixelシリーズではユーザー満足度だけでなく返品率の面でも、過熱が非常に大きな問題となっていることが明らかになっている。それは「返品の主な理由」であり、苦情の28%にも上るとのことだ。
米9to5Googleが独自に見たスライドでは、発熱に関する「快適な限界値」が高すぎるため、引き下げる必要があるとも付け加えているという。同じ資料では、バッテリー持続時間も「長いほどユーザーを惹きつけ、忠誠心を高める」ため、優先事項だと説明していると伝えている。
過熱とバッテリー持ちの短さは、特に2023年のTensor G3以前は大きな問題点だった。これらの資料は、Tensor G3を搭載したPixel 8シリーズの出荷よりも、かなり以前に作成されたものだ。それでも、Pixel 9シリーズのTensor G4でさえ改善の余地は十分に残っており、Googleが優先順位を変更した可能性は低いだろう。
さらにスライド資料では、開発コード名「Malibu」ことTensor G6に関する計画の詳細や、その前の「Laguna」=「Tensor G5」(Pixel 10シリーズ搭載の見通し)に関する情報も紹介されている。
ほか、今回の資料はTensor G5はTSMCの第2世代3nmプロセス技術「N3E」、Tensor G6は第3世代の「N3P」を使うことで発熱やバッテリー持続時間の改善をめざすことにも言及している。それぞれ、iPhone 16 Pro搭載のA18 Proと次期「A19」チップ製造に使われると噂される技術であり、数週間前にも報じられていたものだ。
また「TensorベースのPixelプログラムは財務目標を達成していない」「AP(搭載チップ)の目標は、このビジネスを存続可能にするための65ドル以下」との記述もある。最近のクアルコム製フラッグシップチップは約150ドルとの噂もあり、Googleがカスタムチップに切り替えたのはコスト削減のためだとうかがえるのも興味深い。
- Source: Android Authority
- via: 9to5Google