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Google、コンピューターを操作するAI「Jarvis」をうっかり公開。すぐに削除

Image:Thaspol Sangsee/Shutterstock.com

Googleは、Chromeウェブストアで予定されていなかった新しいAIエージェント「Jarvis」を誤って一時的に公開した。その後すぐに、このAIエージェントは削除されている。

数週間前、Googleがユーザーのオンラインショッピングや交通手段の予約をする作業などを手伝ってくれる、コードネーム「Jarvis」と呼ばれるAIエージェントを開発していると報じられていた。今回Chromeウェブストアに掲載された説明文にも同様のことが記されていたという。

これは、Anthropicが先月パブリックベータ版としてリリースしたClaude 3.5 Sonnetの新機能「Computer Use」に競合すると考えられる。Computer Useは、ウェブブラウザーを通じてテキストを入力したり、カーソルを移動してボタンなどのUIを操作するためにコンピューターを操ることができる。

Jarvisは、日常的なタスクを知らせるAIリマインダー的なものではなく、単純な作業に関してはユーザーがPCを操作せずとも、AIがそれを操作して完了させる能力を持っている。ただ、誤って公開されたJarvisを入手したTechRadarの報告によると、それはまだプロトタイプ版であり、アクセス権設定などの問題から処理の実行ができなかったとのことだ。なお、Googleは12月にJarvisのプレビュー版のリリースを予定していると言われている。

AI界隈は活況を呈しており、様々な企業が、その能力を応用したこれまでにないソフトウェアを続々と開発している。つい先週には、OpenAIのChatGPT Searchが一部有料ユーザー向けに提供を開始した。「Jarvis」のようなAIエージェントが普及すれば、ユーザーは自分でウェブを検索することも、オンラインショッピングのためにカートに商品を入れ、決済ボタンをクリックすることもなくなるかもしれない。

自分で決済処理すらもしなくなれば、AIが同じ名前のまったく違う製品をうっかり購入してしまったり、誤って高額な商品を購入してしまったりする問題が起きたりしないかが心配なところだが、いつかはそのような問題も解決されていくのだろう。

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