ゲーム部門も大苦戦

Netflix、インタラクティブ作品ほぼ全てを削除へ。「バンダースナッチ」等4本のみ残留

Image:QubixStudio/Shutterstock.com

Netflixは12月1日をもって、インタラクティブな映画やドラマのほとんどを配信停止することを明らかにした。

11月6日現在、同社の「インタラクティブ・スペシャル」には全24タイトルが掲載されているが、残るのは「ブラック・ミラー: バンダースナッチ」「アンブレイカブル・キミー・シュミット: キミーVS教祖」「ベア・グリルスとランヴィール vs. ワイルド」「猛獣を追え: You vs. Wild -究極のサバイバル術- 映画版」の4本だけだ。

Netflixのインタラクティブ作品は、自分でストーリーを選んだり、クイズに回答できるコンテンツである。スマートテレビやストリーミング機器、PCブラウザからモバイルアプリまで、対応するデバイスも幅広い。

同社は2017年に初のインタラクティブ作品『Puss in Book: Trapped in an Epic Tale』を公開し、翌年の「バンダースナッチ」は大きな反響を呼んでいた。「バンダースナッチ」という小説をゲーム化しようとするクリエイターが、企画をゲーム会社に持ち込むか、それとも一人で作るか?といった多くの選択肢を突き付けられ、現実とも幻想ともつかない領域に彷徨いこむというものだ。

『カルメン・サンディエゴ』や『ボス・ベイビー』といった既存シリーズのスピンオフもあれば、日替わりのトリビア・クイズを楽しめる『トリビア・クエスト』、家族や友人と早押しクイズを競い合う『トリビアバース』などの趣向も凝らされた。

しかし、開始から7年後の今なお20数本しかないことが、インタラクティブがさほど好評ではなかったと裏付けている。「Plus in Book」もしばらく前から消えているようだ。

Netflix広報はテックメディアThe Vergeに対して「この技術は当初の目的を果たしたが、現在は他の分野の技術開発に注力しているため、限界を迎えている」と述べている。

これに先立ち、同社の元ゲーム部門責任者マイク・ベルドゥ氏が「GenAI for Games」(ゲームでの生成AI活用)部門の副社長に就任したことを発表した直後、もうインタラクティブタイトルを開発していないと明かしていた。そこで得た経験を、ゲームに活かすという趣旨である。

とはいえ、Netflixがゲーム分野での足場固めに苦戦していることは、数々の事実が裏付けていることだ。たとえば数年にわたり加入者向けに無料のモバイルゲームを提供しているものの、プレイ率は1%未満との調査結果もあった。また1年以上前に始まったゲームストリーミングのベータ版は今なおテスト段階にあり、先月も傘下のAAAスタジオをゲームを一本も出さないまま閉鎖していた

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