莫大な予算を投入しても売れない作品が増えつつあります
大失敗の対戦FPS『Concord』開発スタジオが閉鎖。制作に8年、だがプレイヤー増えず
ソニー・インタラクティブ・エンターテインメント(SIE)は、オンラインで対戦するPlayStation/PC用ヒーローシューティングゲーム『Concord(コンコード)』を開発したFirewalk Studiosを閉鎖すると発表した。
『Concord』は8年もの歳月をかけて開発されたものの、プレイヤーからの支持をほとんど得ることができず、発売から2週間でサービスを停止、ゲームを購入したプレイヤーには返金の対応を行っていた。
SIE・スタジオビジネスグループのハーマン・ハルスト氏は、リリース文でFirewalkの従業員に感謝の言葉を述べつつも、かなりの時間をかけてあらゆる選択肢を検討した結果「ゲームを永久に終了し、スタジオを閉鎖することが最善の道であると判断」したと述べている。そして「コンコードから学んだ教訓を生かし、ライブサービス機能をさらに進化させ、この分野での将来の成長を実現していく」とした。
8月にPlayStationとSteam(PC)で発売された『Concord』は、基本無料プレイが多いこのジャンルにあって40ドル(4480円)という、そこそこ高めな価格で発売された。さらに、当初よりプレイヤーが操作するキャラクターが致命的に魅力がなかったことなどもあり、ファン層を構築するに至らなかった。
ゲームを楽しむユーザーが少なければ、オンライン対戦ゲームは成立しない。Steam版Concordのプレイヤー同時接続数は最も多いときで697人しかいなかった。ゲームの推定売り上げ本数は2万5000人に満たなかったと言われている。
ちなみに、SIEはFirewalk Studiosとともに、モバイルゲーム開発スタジオのNeon Koiも、閉鎖することを明らかにしている。もともとはドイツおよびフィンランドを拠点とするSavage Game Studiosという名だったこのスタジオは、AAAライブサービスアクションゲームを開発中と伝えられていたが、結局SIE傘下入りしてからひとつのタイトルも送り出すことなく解散となった。
ハルスト氏は「両方の決定は真剣に検討された。最終的に、組織を強化するために正しい決定だと考えている」と述べている。
- Source: Sony Interactive Entertainment