9万円台で全自動ステーションを搭載

“エコバックス史上最もお手頃”なロボット掃除機の実力は?「N30 PRO OMNI」を使ってみた

安蔵靖志

「DEEBOT N30 PRO OMNI」

ロボット掃除機メーカーのエコバックスジャパンが、オンライン専用モデル「DEEBOT N30 PRO OMNI」(直販価格9万9800円)を発売した。吸引&水拭き掃除に加えて、モップの温水洗浄や温風乾燥まで備えたオールインワンモデルだ。その使い勝手はどうなのか、実際に試してみることにした。

デザインは非常にシンプル。本体ダストボックスのゴミを収集する全自動ステーションの上に不透明な汚水タンク、その手前に清水タンクを載せた形になっている。清水タンクは半透明で中が見え、清潔感のある印象だ。

全自動ステーションの上部にある清水タンクは、残り水量が見やすい

「ECOVACS HOME」アプリに本体を登録し、マッピングを行えば準備完了だ。清掃モードは汚れの具合に応じて吸引力や水量を調整する機能はなく、清掃方法、吸引力、水量、清掃速度、走破する回数をマニュアル設定する形となる。

DEEBOT N30 PRO OMNIはハイエンドモデルと肩を並べる10000Pa(パスカル)の強力な吸引力を備えているので、騒音が気になる夜や夜中でない限り、吸引力は「最大+」にするのが個人的にはおすすめだ。

ECOVACS HOMEアプリの画面(左)、清掃設定の画面。好みに合わせて細かく設定できる(右)

掃除機を使う際に気になる「毛絡み」を防止する「ZeroTangle 2.0テクノロジー」も、本機の大きな特徴。髪の毛が絡まりにくい角度45°のV字型ブラシで髪の毛を持ち上げ、V字型スパイラル構造によって髪の毛を中央に寄せ集め、V字型コームで絡まりを解きほぐす仕組みになっている。

V字型ブラシで毛を持ち上げ、V字型スパイラル構造で中央に寄せ集め、黒いV字型コームで毛を解きほぐす仕組みだ

では、実際に掃除をしてみることにしよう。フローリング上にまいた紙ゴミやコーヒー粉、ウィッグなどをどんどんと吸い込んでいく。清掃設定で水量を最大の「高」にすると、掃除機本体が動き回るたびに、床が目に見えて濡れていくのが気持ちいい。

掃除が完了すると、自動でダストケース内のゴミを全自動ステーションに収集する。ゴミの収集間隔をオートに設定した場合は毎回収集するわけではないが、ペットがいる家庭や複数のカーペットを設置した家庭では毎回収集する設定にもできる。

掃除が完了したところ。フローリング上のゴミはすべてきれいになった

続いてモップを約60℃の温水で洗浄し、約40℃の温風で乾燥する。モップの洗浄頻度は時間別(6、10、15分)、部屋別の設定が可能だ。念入りに掃除する設定にしていると、部屋ごとに何度もステーションに戻って自動洗浄を行うことになる。時間がかかるものの、よりきれいに水拭きしてほしい人には短めに設定しておくといいだろう。

モップ洗浄後の水は排水タンクにためられる。たまった汚水は床がきれいになった証拠でもあるので、なかなか心地よい。

水拭き掃除を行い、洗浄された直後のモップ

DEEBOT N30 PRO OMNIは「何でも自動でお任せ」という感じではないが、好みに合わせて細かく清掃設定を行えるのが便利だ。

カスタマイズした清掃設定は保存しておけるので、外出中は「フルパワーで2回走破」、在宅中は「中程度の吸引力で1回走破」、夜は「吸引力控えめで静音清掃」といったように使い分けられる。

オールインワンで10万円を切る価格はなかなかリーズナブルで、使いこなせば力強い味方になるロボット掃除機ではないだろうか。

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