いまだにゲームストリーミングも正式稼働せず
Netflix、AAAスタジオ「Blue」をゲームを一本も出さないまま閉鎖
動画ストリーミング大手Netflixがゲーム事業に注力し始めてから数年経つが、AAA(超大作)タイトル開発を目指したスタジオがひっそりと閉鎖したことが明らかとなった。
海外ゲームメディアGame Fileによると、閉鎖されたスタジオは「Blue」と呼ばれていた。元『オーバーウォッチ』のエグゼクティブプロデューサーであるチャッコ・ソニー氏、『Halo』のクリエイティブリードを長年務めたジョセフ・ステイテン氏、『ゴッド・オブ・ウォー』のアートディレクターだったラファエル・グラセッティ氏など、大手スタジオの錚々たるメンバーが名前を連ねていた。
この中でもステイテン氏は「まったく新しいAAAマルチプラットフォームゲームとオリジナルIPのクリエイティブディレクターとして」働くためXbox陣営を離れたと述べていた。それだけに、Netflixが本格的にAAAタイトル開発に注力すると受け止められ、当時のメディアでは大きく取り上げられていた。
そのBlueスタジオは今月閉鎖され、これら大物3人全員がもはや会社にいないとNetflixはGame Fileに確認している。ゲームを一本も出さないまま、スタジオが解散された格好である。
Netflixは2021年に無料ゲームの提供を開始して以来、自社のプラットフォーム上で次々とゲームをリリースしている。当初は軽めなカジュアルゲームを提供するに留まっていたが、後に『Grand Theft Auto』や『Hades』のようなゲーム専用機/PC向けタイトルのモバイル移植や、『Cozy Grove: Camp Spirit』や『Oxenfree II: Lost Signals』のような自社開発の独占タイトルも提供するに至っている。
それと並行して、多数のゲーム開発スタジオを傘下に収め、あるいは立ち上げてきた。ヘルシンキのNext Games(『Stranger Things: Puzzle Tales』等を開発)や、「Cozy Grove」を手がけたSpry Foxを買収したといった具合だ。
しかし、今のところ莫大な投資に見合ったリターンを得ているとは言い難い。敷居が低いはずのAndroid/iPhone向け無料ゲームも、Netflix加入者全体の1%も利用していないとの調査結果も出ていた。1年以上前に始まったゲームストリーミングのテストも正式稼働する気配はないが、今後の動向を見守りたいところだ。