はじめてのスマートホーム特集

人気の「スマートホーム」ってそもそも何?導入するとできること、便利になること

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近年、一般家庭に広がり始めている「スマートホーム」。これは、スマートフォンやインターネットに接続できる家電や各種センサーによって、生活をスマート化できる機能を備えた住宅のことだ。

単にスマートフォンから家電を操作できるだけではなく、そういった機能を活かして、家族の生活をよりスムーズにしたり、安心、快適にしたりできる機能を実現した住宅を指している。ここでは短期連載という形で、スマートホームの基本とできること、導入方法などについて解説していく予定だ。

ブロードバンドとスマートフォンがきっかけ

そもそもスマートホームの「スマート」は、スマートフォンやスマート家電と同じく「賢い」という意味で使われている。さまざまな家電や住宅設備がインターネットと連携することで、それぞれが連携し、これまでにない使い方ができるようになるというわけだ。

我々の生活はこの30年で大きく変化してきた。90年代にインターネットが登場、2000年代には高速・常時接続のブロードバンドが普及し、インターネットに繋がっていることが当たり前になっていった。そして、2010年代からのスマートフォンの広がりとともに言われ始めたのが、IoT(Internet of Things)だ。

世界最大級のエレクトロニクス展示会「IFA2024」のサムスンブース。多くのデバイスがインターネットに繋がることがアピールされた

IoTは「モノのインターネット」という意味で、家の中にあるさまざまな電化製品がインターネットに繋がって情報の交換を行ったり、操作ができるようになる、という概念だ。このIoTの広がりによって、数々のスマート家電が生まれ、スマートホームの普及に繋がってきた。

家電のデジタル化によってスマートホームに繋がっていく

いま、さまざまな家電製品がインターネットにつながり、スマートに使えるようになっている。そんなスマート家電同士が連携して、自動化や遠隔操作などの機能を兼ね備えたのが「スマートホーム」だ。

従来の家電製品は、見える範囲でリモコン操作を行うか、本体の操作パネルを直接触って操作するしかなかった。このため、複雑な制御はあまりできなかった。しかしスマート家電なら、さまざまな使い方ができる。

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例えば、その場にいなくてもインターネット経由で家電の操作ができる。外出先からエアコンを付けて部屋を冷やしたり(暖めたり)、ロボット掃除機を動かして掃除したりできる。また、きめ細かなスケジュール設定や温度・湿度を条件に家電をON/OFFすることもできる。

スマート家電はスマートフォンでの操作に限らない。スマートスピーカーに話しかけて、音声で操作できる。例えば「アレクサ、灯りを付けて(消して)」と話しかけるだけで、照明の制御が可能。いちいち、壁のスイッチを操作する必要がないため、座ったまま、寝転んだままでコントロールできるのだ。

このほか、家の中に設置したさまざまなセンサーに反応して、家電を自動的に動作させるオートメーションの仕組みを作ることもできる。

スマートホーム導入によるメリット

スマート家電やスマートスピーカーを導入してスマートホームを構築すると、日常生活においてさまざまなメリットが得られる。

家電のハンズフリー、遠隔操作

スマート家電を導入したり、古い家電でもスマートフォンから操作できるようになるスマートリモコンなどを導入することによって、家電のリモート操作が可能になる。いちいち家電のそばに行ったり、壁にあるスイッチやコントローラを触る必要がない。さらに、屋外からの操作も可能だ。

複数機器の連携操作

1つの家電を操作するだけでなく、同時に複数の家電を連携して操作することができる。例えば、「アレクサ、おやすみ」とスマートスピーカーに話しかけるだけで、部屋の照明とエアコンなど複数の機器の電源をオフにすることができる。オートメーションは生活に合わせて自在に設定でき、玄関のスマートロックをアプリから開けたら、自動的に玄関の電気が点く設定などもできる。

ホームセキュリティの向上

玄関の鍵をスマートロックにすることで、アプリからの開閉が可能。一定時間が経過したら自動的に鍵が閉まる設定にすれば閉め忘れの心配がない。さらに誰がいつ鍵を開け閉めしたかログをみることもできる。また、カメラ付きドアベルやセキュリティカメラとも連携でき、来客や室内の動きなどを動画で撮影し、スマートフォンで確認できる。

省エネ性の向上による光熱費の節約

家電の遠隔操作ができるため、消し忘れなどがあってもどこからでもオフにできる。また、GPS情報や温度センサー、照度センサー、人感センサーなどの情報を元に自動的に省エネモードに移行させたり、電源を切る設定も可能だ。家電の電気代をリアルタイムで監視できるスマートプラグなども利用できる。

生活の快適化と健康の促進

健康のサポートにも活用できる。例えばスマートカーテンを導入して、朝の起床時間に合わせてカーテンを開ける設定にすることで、起きるのが楽になり生活リズムが改善できる。夕食後の時間帯には自然に照明をダウンライトに変えるのもいい。

また、生活時間に合わせて行動をリマインドすることも可能。自動的に照明をオフにしたり、音声で休憩時間を教えてくれたり、といった設定ができる。

スマートホームで生活がより快適になる

「スマートホーム」と聞くと、最新の高性能家電や難しい設定が必要だと思うかもしれないが、それは勘違いだ。インターネットに接続する機能のない古い家電でもスマートホームで利用できる。スマートフォンやスマートスピーカー、スマートリモコンがあれば、スマートホームはスタートできる。

「家に帰る前に部屋を涼しくしたい」「寝転んだ状態で照明を消したい」といった、日々の生活の中にある不便なところを1つずつ改善していくことで、生活はより快適になっていく。あとは必要に応じてデバイスや家電を追加・交換するだけでいい。 住宅をスマート化するだけで、生活の利便性が向上し、ちょっとラクになっていくのだ。

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