自分の投稿が使われたくなければオプトアウトを

X、ユーザー投稿コンテンツを使ったAI強化学習を許可へ

Image:Ralf Liebhold / Shutterstock.com

X(旧Twitter)は、10月16日にプライバシーポリシーを改訂し、サードパーティの協力企業がXのデータを用いてAIモデルを強化学習させることを許可する方針を明らかにした。

このポリシー変更からは、依然として広告やサブスクリプションの収益が思うように上がらない同サービスが、プラットフォーム上のコンテンツをAI企業に学習データとしてライセンス供与、収益化する可能性を検討していることがうかがえる。

イーロン・マスクは以前、Xのユーザーデータを使って自分のAI企業であるxAIのGrokチャットボットをトレーニングしたことで、EUの主要なプライバシー規制当局による調査を受けることとなった。一方で、Redditや各ニュース企業などは、OpenAIなどとデータのライセンス契約を結んでいる。

Xのプライバシーポリシーを記載したページの「情報の共有」の項目には、ユーザーデータがどのように使用され、どのようにユーザーがオプトアウトできるのかを詳しく解説する段落が追加され「お客様がオプトアウトしない場合、情報の受信者はXのプライバシー ポリシーに記載されている目的に加えて、たとえば生成的またはその他の人工知能モデルのトレーニングなど、独自の独立した目的で情報を使用する場合がある」と書かれている。

ただ記事執筆時点では、実際にユーザーが自分のデータが勝手に使われないようオプトアウトしようとしても、どこでその設定ができるのか、はっきり書かれていない。今回追加された項目は、11月15日までは施行されないため、もしかするとそれまでのどこかの時点で、オプトアウトも可能になるのかもしれない。

今回のXのポリシー改定では他に、ユーザーの「プロフィール情報とコンテンツをアカウントの有効期間中保存する」ことや、「当社の製品やサービスの使用時に収集した、その他の個人を特定できるデータを最大18か月間保存する」ことを記した段落が削除され、かわりにX は「製品やサービスを提供するため、法的要件を遵守するため、および安全とセキュリティ上の理由から、どれくらいの期間保持する必要があるかに応じて、さまざまな種類の情報をさまざまな期間保持する」と記された。その例として、「投稿したコンテンツ」や他のユーザーのコンテンツとのやり取りなどの使用情報は、「アカウントの有効期間中、またはそのようなコンテンツが削除されるまで」保持されるとなっている。

また、ポリシーにはユーザーが削除した情報が、完全には削除されず、どこか別の場所に保管されると受け取れる記述も見つかっている。

Xのデータを使う企業に対しては、新たに追加された「損害賠償金」の段落にて、「Xのコンテンツを何らかの目的のために抽出する組織」は損害賠償責任を負うことになるとしている。たとえば「24時間以内に100万件を超える投稿(返信、動画、画像、その他の投稿を含む)をリクエストしたり閲覧したり、またはアクセスしたりした場合」に、Xは投稿100万件あたり1万5000ドルを賠償金として請求するとのことだ。

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