ソフトによるエミュレーションに付きまとう入力遅延なし

NINENDO64互換機「Analogue 3D」2025年発売。FPGAにより100%互換、リージョンフリー

Image:Analogue

高級レトロゲーム互換機で知られるAnalogueが、ついにNINTENDO64互換機「Analogue 3D」の詳細を発表した。2025年初頭に発売予定で、価格は249.99ドル(約3万7000円)。本体カラーは黒または白で、予約受付は日本時間で10月22日午前0時に開始される。

昨年秋に発表されたAnalogue 3Dは、これまでのAnalogue製品と同様に、過去のゲーム機をFPGA(プログラマブル回路)によりハードウェアレベルでの高い再現度を目指したものだ。「N64の再構築」をうたい、2024年内の発売を予告していたが、2025年にずれ込んだ格好である。

この新型ゲーム機は、「オリジナルのN64ゲームと100%互換性がある」とのこと。同社の「Mega Sg」(メガドライブ互換機)や「Super Nt」(スーパーファミコン互換機)のように、実機のROMカートリッジをそのまま挿入でき、本物のN64と同じ挙動をするわけだ。

Image:Analogue

N64は約30年前に発売されたゲーム機だが、ソフトウェア・エミュレーションでの再現が難しいことで知られている。そのためAnalogueはFPGAのエンジニアリングに4年近くをかけ、「入力遅延やグラフィック/オーディオの不正確さ、タイミング/フレームレートの問題」を克服したと主張している。

しかもリージョンフリーとのことで、日本版も海外版のカセットも分け隔てなく使えるようだ。なお実機のN64の場合、日本版と海外版ではカセットの形状が違い、それぞれ地域が異なると物理的に挿さらなかった。

Analogue 3Dは初代N64ゲームを4Kにアップスケールでき、CRT(液晶以前のブラウン管)ディスプレイの温かみや奥行き、質感を再現する複数のディスプレイモードを備えているという。

本製品は同社初の3Dゲームハード互換機であり、ドットのほかポリゴンやテクスチャも再現する必要があるが、これらは単純な2Dゲーム機よりも「CRTへの依存度が高い」とのこと。Analogueは「特注の専用4Kアップスケーラー」を設計したと述べている。

現代のゲーム機としてはBluetoothに対応しつつ、オリジナルのコントローラーを挿せるポートを4つ、USBポートを2つ、SDカードスロットも備えている。また「3D OS」と呼ばれる新たなOSも搭載されている。

Analogue製品の常としてコントローラーは付属していないが、8bitdo社がN64コントローラーの改良版を用意している。細部までオリジナルを再現した十字キーやボタンに加えて、ドリフト問題(アナログスティックを触れていない時でも動きを検知してしまう症状)が起きないホール効果スティックを備えているとのこと。Nintendo SwitchやAndroid、PCとも互換性があり、別売りで価格は39.99ドル(約6000円)だ。

Analogue製品は、日本への発送にも対応している。以前、個人的に「Analogue Pocket」(ゲームボーイシリーズ互換機)を購入した時、送料は65.99ドル(約1万円)だった。

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