ついに爆熱を卒業か
インテル、NPU初搭載の次世代デスクトップCPU「Core Ultra 200S」発表。Arrow Lake採用、効率性を重視
インテルは、デスクトップ向けCPUの新製品「Core Ultra 200S」を発表した。モバイル向けCPUで採用される「Lunar Lake」アーキテクチャーをベースとする「Arrow Lake-S」を採用、インテルのデスクトップCPUとして初めて、AI処理向けのニューラルプロセッシングユニット(NPU)を搭載している。
Core Ultra 200Sは従来のデスクトップ向けCPU製品に比べて効率性も高めており、独ベルリンで開かれた家電見本市IFAのプレビューイベントで、インテルのプラットフォームマーケティングマネージャーであるグレッグ・ブーツ氏は「インテルにとって過去最大級の電力削減と効率向上」を果たしたと説明した。
実際、第13~14世代のIntel Core CPU は電力消費が大きく、AMDの同等製品に比べて効率的とは言い難いところがあった。その反省なのか、Core Ultra 200Sシリーズは、基本的なデスクトップPCとしてのタスク実行の際に電力消費を半減させており、シングルコア処理が多く高負荷なゲームの駆動でも時と場合により消費電力を半分に低減すると、インテルのクライアントコンピューティンググループ副社長、ロバート・ハロック氏は主張している。
発表の場では、Ubisoftのアクションゲーム『Assassin’s Creed Mirage』を現行のCore i9-14900Kと、今回発表したCore Ultra 9 285Kで比較し、後者が現行CPUと同等のパフォーマンスを約80Wも少ない消費電力で実行していることを示した。FPSゲームの『Call of Duty: Modern Warfare III』や、やレーシングゲームの『F1 24』
でも、消費電力を最大58W削減できると主張。さらに、9月9日に発売されたばかりで、非常に負荷が高いとされる『Warhammer : Space Marines 2』では、最大165Wも低消費電力であることも紹介された。
消費電力が少なくなれば、その発熱も抑えられるはずで、発表でも、同じCPUクーラーを使用した、1080p解像度でのゲームプレイ時のパッケージ温度がCore Ultra 9 285Kのほうが14900Kよりも約13℃低いとインテルは主張している。ただ、この点に関しては、第13~14世代Coreシリーズが爆熱だっただけとも言えるかもしれない。
インテルは、Core Ultra 200SシリーズがほとんどのクリエイティブタスクやAIタスクにおいては、依然として最高のパフォーマンスを発揮すると主張している(ただし、このシリーズが搭載するNPUの処理性能は13TOPSで、40TOPS以上が指定されるMicrosoftのCopilot Plus要件はクリアしていない)。
一方で、ゲームパフォーマンスに関しては、この世代ではそれほど大きな性能向上はない模様で、インテルは将来的にNPUがゲーム関連にも利用されるようになることを期待しているという。
なお、Core Ultra 200Sシリーズは、発表時点では新しいLGA-1851ソケットとZ890チップセットを搭載するマザーボードにのみ対応している。日本での発売は2024年10月25日からで、PCパーツ販売店では10月11日より予約受付を開始している。
Core Ultra 200Sシリーズのラインナップと価格は以下のとおりだ。
・「Intel Core Ultra 9 285K」5.7GHz 24コア (高性能 x8 + 高効率 x16) GPUコア x4/589ドル(国内予想価格11万5800円)
・「Intel Core Ultra 7 265K」5.5GHz 20コア (高性能 x8 + 高効率 x12) GPUコア x4/394ドル(国内予想価格7万8000円)
・「Intel Core Ultra 7 265KF」5.5GHz 20コア (高性能 x8 + 高効率 x12) GPUコアなし/379ドル(国内予想価格7万5800円)
・「Intel Core Ultra 5 245K」5.2GHz 14コア (高性能 x6 + 高効率 x8) GPUコア x4/309ドル(国内予想価格5万9800円)
・「Intel Core Ultra 5 245KF」5.2GHz 14コア(高性能 x6 + 高効率 x8) GPUコアなし/294ドル(国内予想価格5万6800円)
- Source: Intel