音質を劣化させて「デマスター」

グリーン・デイ、メジャーデビュー作『Dookie』30周年デマスター版発売。FD、8トラ、GBカセットなどに1曲ずつ収録

Image:lev radin / Shutterstock.com

米国のベテランパンクバンドGreen Day(グリーン・デイ)が、アルバム『Dookie』の発売30周年を記念して、リマスターならぬ「デマスター版」を発売すると発表した。

デマスターということは、音質を著しく劣化させたバージョンなのかと思った人は大正解だ。このデマスター版はアルバムに収録された全15曲を、1曲ずつ個別の媒体で販売する。

『Dookie』のトラックリストは以下のとおり

Burnout – ピアノロール(49ドル)
Having a Blast – フロッピーディスク(19ドル)
Chump – テディ・ラクスピン(99ドル)
Longview – ドアベル(49ドル)
Welcome to Paradise – ゲームボーイカートリッジ(39ドル)
Pulling Teeth – 電動歯ブラシ(49ドル)
Basket Case – ビッグ マウス ビリー バス (79ドル)
She – Hit Clips(29ドル)
Sassafras Roots – 8トラックカセットテープ(19ドル)
When I Come Around – 蓄音機用蝋管(49ドル)
Coming Clean – 肋骨レコード(49ドル)
Emenius Sleepus – 留守番電話(49ドル)
In the End – ミニディスク(19ドル)
F.O.D. – Fischer Priceレコード(19ドル)
All By Myself – オルゴール(19ドル)

なお、「テディ・ラクスピン」とは分かりやすくいえば喋るクマのぬいぐるみ、 「肋骨レコード」というのは旧ソビエト連邦で作られていた、レントゲン写真を再利用して作られたソノシートのことだ。

このなかでは最も音楽と結びつかないのが電動歯ブラシだが、これは震動を利用して骨伝導式に音を発する。ただし、説明書きでは歯磨き中の使用は非推奨とされている。

いずれも、収録媒体からして音質が期待できないことはあきらかで、それを「デマスター」と表現するのはなかなか的を射ている。

ちなみに、フロッピーディスクに収録されているHaving a Blastは16kbsのRealAudio形式で、しっかりショワショワした音にデマスターされている。再生するにはフロッピーディスクドライブとPC、メディアプレーヤーソフト「Real Player」(もしくは .ra ファイルを再生可能なプレーヤーソフト)が必要だ。ミニディスクのほうは、音楽用MDで採用されていたATRAC形式で収録されている。ただしプレーヤーは自分で用意しなければならない。

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