『スター・ウォーズ 無法者たち』も絶不調、アサクリ最新作も発売延期
仏ゲーム大手Ubisoft、中国テンセントによる買収の噂に公式声明
仏ゲーム大手パブリッシャーのユービーアイソフトは、中国テンセントと創業者のギユモ家が同社の買収を検討しているとの報道を受けて、公式声明を発表した。
同社は報道を否定せず、「ステークホルダーの利益のために、定期的にあらゆる戦略的な選択肢を見直しており、適切な場合があれば市場に通知する」と述べるに留まっている。
今月初め、最近ユービーアイソフトの株価が暴落していることを受けて、テンセントとギユモ家が同社の買収を検討しており、プランの1つとして株式の公開化も含むと報じていた。
ユービーアイソフトの株価は年初から10月までに約40%、先月だけでも19%もの下落。特に『アサシン クリード シャドウズ』の発売が来年2月に延期され、『スター・ウォーズ 無法者たち』の売上が当初の予想を大幅に下回ったことが影響している。後者は発売から1ヶ月でようやく全世界100万本を突破したとの噂もあるが、超優良ブランドとしては驚くほど低調と言うほかはない。
同社の年次報告書によると、すでにテンセントは同社の株式9.2%を、ギユモ家は約20.5%を保有している。またテンセントはギユモ家の持ち株会社Guillemot Brothers Ltd.の株式を49.9%持っているため、テンセントの意向しだいで買収が実現する可能性は高い。
テンセントによる株式非公開が行われれば、新たなCEOの任命や人員削減など、大規模な組織再編が予想される。すでにユービーアイソフトはかなりの数の従業員を解雇しており、ITチームと特殊効果スタジオが真っ先に整理対象となっていた。
数日前、ユービーアイソフトのマネタイズディレクターがLinkedInにて、SNS内でゲーマーが自社に厳しい声を投げかけることを嘆き、さらにLinkedInでもゲーム業界の同業者が同じようなコメントをすることに「自分がまともでない人間だとさらけ出している」と述べて注目を集めていた。これほど自社に波乱が続けば、平静ではいられないようだ。