アップルもMetaもコストダウンに苦戦?

アップル、マイクロLEDをARグラスに採用?Apple Watch Ultraへの搭載も検討か

Image:Kaspars Grinvalds/Shutterstock

アップルはマイクロLEDディスプレイを「Apple Watch Ultra」に搭載を試みたものの、コストが高すぎるために見送ったと報道されていた。だが、同社はこの新技術を諦めておらず、今後のARグラスなどに採用する準備を進めているとの噂が伝えられている。

リーカーのJukanlosreve氏は、同社がマイクロLEDの活用を2つの分野で予定していると主張。その1つが「ARグラス用のマイクロLEDを準備しており、2026年に量産する見通し」だと述べている。

この人物は最近、クアルコムの次期チップ「Snapdragon 8 Gen 4」の詳細などを発信していた。以前「Revegnus」や「Tech_reve」名義で活躍していたのと同一人物だとみられており、そちらのリーク情報には一定の実績がある。

今回のポストでは、2026年に量産が始まるのがARグラスなのか、それともマイクロLEDパネルかは明確にされていない。その一方で、マイクロLED版Apple Watch Ultraのプランはまだ残っており、2026年の発売を目指すと語っている。

マイクロLEDとは、超微細なLEDを画面に敷き詰めて映像を表示する技術だ。有機ELよりも正確な色再現度や長い寿命、電力効率を改善しつつ、有機物質を含まないため焼き付く恐れもなく、より高い輝度やコントラスト比が期待できる。

マイクロLED版Apple Watch Ultraは関連パーツの量産準備まで始まっていたことは、数ヶ月前にも報じられていた。LGディスプレイがバックプレーン製造のため特許を取得した上に機器も移送し、人材まで集めていたのにキャンセルされたため、アップルに補償を要求したというものだ

そこまで準備が進んでいたのなら、コストの問題さえ解決すれば、プロジェクトの再始動も難しくないのかもしれない。

ARグラスの話に戻ると、アップルはRay-Ban Metaスマートグラスのような製品を検討しているとの報道もあった。つまりディスプレイがないタイプであり、「真のARグラス」は技術的な課題のため棚上げされているとのことだった。

「真のARグラス」を実現するための課題は「十分に軽くする」や「強力なプロセッサーと低消費電力の両立」などいくつもある。アップル社内では「わずか10分の1の消費電力に抑えつつ、iPhoneの性能を再現する必要がある」と判断されたとBloombergは報じていた。それは、ほとんど実現不可能にも思える。

アップルとAR/VRで競合するMetaも、先日「真のARグラス」をうたう「Orion」を発表していた。ようやく試作機の発表までこぎ着けていたが、消費者の元に届くまでは少なからず歳月がかかりそうだ。

関連キーワード: