エンタープライズ向けヘッドセット市場にはアップルなどが進出

マイクロソフト「HoloLens 2」生産終了。米軍向け「IVAS」に全力で取り組む

Image:khoamartin / Shutterstock.com

マイクロソフトは、MR(Mixed Reality)ヘッドセット製品「HoloLens 2」の生産を終了したことを明らかにした。

今後のHoloLens 2のサポートに関しては、「重大なセキュリティ問題とソフトウェアの不具合に関する更新」が2027年12月31日までは提供されるとのこと。なおマイクロソフトは、2018年に生産を終了した初代HoloLensに対しても未だにアップデートを提供しているが、こちらは2024年12月10日までで終了するとのことだ。

HoloLens 2は2019年に発売され、グラフィック能力向上や視野の拡大、ハンドジェスチャーおよびアイトラッキングの精度向上など、初代にくらべて大きくアップデートされた仕様を備えている。当時はまだパススルー型のディスプレイレンズを持つ拡張現実型ヘッドセットは少なく、また高価でもあるため、HoloLensは主にエンタープライズ向けとして販売された。

当初ライバルとなるのはMagic Leapの製品ぐらいだったが、近年ではAppleやMetaがパススルー機能付きのヘッドセット製品を発売しており、HoloLensシリーズの競争力低下は否めなくなっている。

マイクロソフトは2022年の暮れに「HoloLens 3」の開発をほのめかしていたが、その後ヘッドセットのプロジェクトに携わるチームは複数回のレイオフのさなかキャンセルされたことが報じられていた。

なお、HoloLens 2の生産は終了されるが、マイクロソフトが米軍に供給するカスタム版HoloLensである「IVAS(Integrated Visual Augmentation System:統合型視覚拡張システム)」に関しては、引き続き手厚く取り組んでいくと述べている。

IVASは2025年後半までに本格生産に入るか否かを決定するとされており、米国国防総省は2025年前半に、中隊クラスの演習でそれをテストする予定となっている。

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