【防災月間】ポータブル電源特集

災害対策で注目!「ポータブル電源」おすすめ6モデルを紹介

安蔵靖志

地震や台風などの自然災害に見舞われることの多い災害大国の日本において、ここ数年で「ポータブル電源」に対する注目度が高まっている。大容量バッテリーを内蔵しており、スマートフォンやパソコン、家電製品などを充電できるのが魅力だ。

しかし、いくつものメーカーが数多くの製品をラインアップしているため、選び方が難しいと思われるかもしれない。そこで今回は、ポータブル電源選びのポイントと、おすすめ製品を紹介しよう。

「容量」「出力」「重さ」のバランスが重要

ポータブル電源は内蔵バッテリーから家電製品に給電できる機器のため、バッテリー容量や出力の大きさ(ワット数)によって、接続できる家電の最大ワット数や給電できる時間が変わってくる。

基本的に容量が大きいほど出力も大きくなるため、大容量な製品ほど災害対策に向いていると思われるかもしれない。しかし、大容量な製品ほど大きく重くなり、もちろん価格も高くなってしまう。

大きくて重いと、車に載せて持ち運び、アウトドアで使うといった使い方が難しくなる。災害対策だけでなく、普段から活用したいのであれば、大容量すぎない製品を選ぶのがポイントだ。

給電回数・使用時間の目安(Image:JVC)

目安としては、持ち運びやすくて普段からバンバン使える500Wh程度の「中容量モデル」か、多くの家電を活用できる1,000Wh程度の「大容量モデル」がおすすめだ。

こうした観点から、中容量モデル、大容量モデルそれぞれ3製品のおすすめポータブル電源を紹介しよう。

可搬性の高い中容量モデル、おすすめ3製品!

安心の国内メーカー製、ビクター「BN-RF510」

JVC「BN-RF510」

定格容量512Whで、定格出力600W(瞬間最大1,200W)のポータブル電源。充放電サイクル約4,000回と長寿命なリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用し、重さは約6.7kgだ。

折りたたみ式の小型ハンドルが付いているため持ち運びやすい。コンセントと家電製品との間に接続しておくだけで、停電時にもそのまま家電を使える「自動給電切り替え機能」を備えている。UPS(無停電電源装置)と違って一時的に電力が途切れるものの、停電時にも動かしたい冷蔵庫などを普段からつなげておけば安心だ。

電源に接続し続けても、過充電状態にならないようにする独自設計を採用しており、コンセントに挿しっぱなしで満充電に近い状態(94〜100%)をキープしてくれる。

AC入力の充電時間は約1.5時間と比較的短いのも魅力。背面には停電時に周囲を照らせるLEDライトを搭載している。2年間のメーカー保証や国内サポートセンター対応などのサポートを実施している。

「BN-RF510」レビュー記事はこちら

UPSとしてパソコンなどの大事なデータを守れるAVIOT「PS-F500」

AVIOT「PS-F500」

定格容量512Whで、定格出力500W(最大1,000W)のポータブル電源。充放電サイクル約3,000回のリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用し、重さは約6.3kgだ。

停電時に約0.01秒でポータブル電源からの給電に切り替える、UPS(無停電電源装置)機能を備えている。冷蔵庫などの家電を停電時に安心して使えるのはもちろんのこと、デスクトップパソコンやNAS(ネットワーク接続ハードディスク)のデータを停電時のクラッシュから守れるのが安心だ。

AC入力時の充電時間は約2.5時間とちょっと長め。背面には停電時の照明として、SOSフラッシュとして使用できる大型のLEDライトを搭載している。

2年間のメーカー保証サービスや、日本語スタッフによる24時間365日の国内電話サポート、不要になった製品の無料引き取りなどを実施している。

「PS-F500」レビュー記事はこちら

IP65の防じん・防水仕様が大きな魅力のBLUETTI「AC60P」

BLUETTI「AC60P」

定格容量403Whで、定格出力600W(最大1,200W)のポータブル電源。充放電サイクル約3,000回のリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用し、重さは約9.1kgだ。

ほかの製品に比べて重い上に容量が小さいのが残念なところではあるものの、IP65の防じん・防水仕様なのが大きな魅力だ。むやみに水をかけるのは推奨されていないものの、アウトドアで使っていて雨が降った場合などにも落ち着いて退避できる。

別売の「拡張バッテリー B80(806Wh)」と組み合わせることで、容量を最大2015Whまで増やせるのも魅力。AC充電時の充電時間は約1時間と短いのも使いやすい。

頑丈なきょう体や長寿命バッテリー、独自の回路設計や防じん・防水仕様などから、6年もの長期間の製品保証を提供しているのも大きな強みだ。

災害時によりパワフルに活躍!大容量のおすすめ3製品

独自の台風警報モードが便利なEcoFlow「DELTA 3 Plus」

EcoFlow「DELTA 3 Plus」

定格容量1,024Whで定格出力1,500W(最大3000W)だが、独自のX-Boostテクノロジーによって最大2,000Wの出力に対応するポータブル電源。

充放電サイクル約4,000回のリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用し、重さは約12.5kg。大容量ながらAC入力時の充電時間は約56分とかなり短く、UPS機能も備えている。

大雨や台風の予報が出ると蓄電の状況をスマホに知らせてくれるだけでなく、UPS停電リマインダーがバックアップ電源を起動し、緊急時に必要な家電に電力を供給する「台風警報モード」を搭載している。

別売の「DELTA 3専用エキストラバッテリー(1,024Wh)」と組み合わせることで、最大5,048Whまで容量を増やせるなど拡張性が高い。AC出力端子が6つ備えるなど端子数の多さも魅力。メーカー保証期間は5年間だ。

「DELTA 3 Plus」レビュー記事はこちら

災害時の備えに便利な機能を備えるJackery「Jackery ポータブル電源 1000 New」

Jackery「Jackery ポータブル電源 1000 New」

定格容量1070Whで定格出力1,500W(最大3,000W)のポータブル電源だ。充放電サイクル約4,000回のリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用し、重さは約10.8kgと比較的軽い。さらに、折りたたみ式のハンドルを搭載しており、持ち運びもしやすい。

AC入力時の充電時間は約1.7時間だが、アプリで「緊急充電モード」を利用すると最短60分での充電が可能だ。停電時にも接続している家電にそのまま電気を供給するUPS機能を搭載しており、前面にLEDライトも備えている。

バッテリーの充電を最大85%に制限し、80%を下回った場合のみ充電することでバッテリー寿命を1.5倍に延長する「バッテリー節約モード」や、自然放電を抑える「超ロングスタンバイモード」など、災害時の備えに便利な機能を搭載している。AC出力端子は3つと少なめなので、購入時には気をつけたい。メーカー保証期間は5年間だ。

別売の防塵防水バッグも便利なAnker Japan「Solix C1000 Portable Power Station」

Anker「Solix C1000 Portable Power Station」

定格容量1056Whで定格出力1,500W(最大2,000W)のポータブル電源。充放電サイクル約3,000回のリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用し、重さは約12.9kgだ。

AC入力時の充電時間は約90分だが、専用アプリで超急速充電モードを設定すると最短約58分の急速充電が可能。定格出力は1,500Wだが、独自技術SurgePadによって最大2,000Wまで給電できる。

停電時にそのまま家電を動作させられるUPS機能を搭載しており、本体上部に配置する大型LEDライトは停電時に便利だ。

別売の「Anker Solix BP1000 拡張バッテリー(1056Wh)」を組み合わせれば容量の拡張も可能。別売アクセサリーとして、一時的な雨であればバッグに入れたまま使える「IP54 防塵防水バッグ」も用意している。

どの製品を選んでも問題なし! 使い方に合わせて決めよう

どの製品も、日常から災害時まで活躍する容量や出力を備えており、長寿命や急速充電機能など押さえておきたいポイントをしっかりと押さえている。

サイズや重さ、搭載する端子数、拡張性、もちろん価格もそれぞれによって異なる。そのため、自分や家族のニーズによって吟味して導入することをおすすめしたい。

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