そこに誉れはあるんか

PS5ゲーム『Ghost of Yōtei』発表。『Tsushima』に続く時代劇アクション作

Image:Sucker Punch Productions

米Sucker Punch Productionsは、PlayStation 5用の新作ゲーム『Ghost of Yōtei』を発表した。2020年に発売した大ヒット作『Ghost of Tsushima』の流れを汲むアクションゲームとなっている。

『Tsushima』が1274年の元寇をモチーフにしていたのに対し、『Yōtei』の舞台は1603年で、300年以上も後の時代が舞台になっている。Yōteiとは北海道にある羊蹄山のことでこの山は別名「蝦夷富士」として知られている。

発表時点ではストーリーなどの設定が明かされておらず、主人公キャラクターが刀を手にした、アツという名のお尋ね者の女性であることぐらいしか情報は出されていない。

Sucker PunchのシニアコミュニケーションマネージャーAndrew Goldfarb氏は「1603年の蝦夷はまだ日本の統治に入っておらず、広大な草原、雪に覆われたツンドラ、そして予期せぬ危険に満ちていた。それは対馬に住んでいた、組織化された武士の一族とはまったく異なる、明らかにするのが待ち遠しいオリジナルストーリーの舞台になっている」と述べている。

実際の日本史においては、蝦夷(現、北海道)の地は1604年に松前藩として江戸の幕藩体制に組み入れられている。ただ蝦夷はもともとアイヌが先住民として暮らす土地であり、当時松前藩が支配できたのは函館の北西にある八雲町南部あたりまでだった(その後次第に拡大)とされている。

Image:Sucker Punch Productions

一方、タイトルにもなっている羊蹄山は、もっと北海道の内陸に近いニセコ町近辺にそびえており、ゲーム内にも登場することを考えると、新作ゲームの内容には統治範囲を拡大する江戸幕府とアイヌの関係性なども描かれるのかもしれない。

ちなみに羊蹄山(ようていざん)という名前が広まったのは1969年の国土地理院地形図からで、それ以前は日本書紀に由来する後方羊蹄山(しりべしやま)という呼び名が主流だったようだ。

刀を携えた主人公キャラクターが女性であることに違和感を覚える人もいそうだが、ゲームの時代と重なる江戸時代前期には、古河藩(現在の茨城県古川市)に佐々木累という女性剣術家が実在した例がある。なお、アツのキャラクターを演じるのはErika Ishiiという米国の声優で、FPSバトルロイヤルゲーム『Apex Legends』に登場するプレイアブルキャラクター「ヴァルキリー」(英語版)をはじめ、多数のゲームでその声を聞くことができる。

『Ghost of Yōtei』の発売は2025年の予定だが、それまでにもいくつかのトレイラー映像とともに、次第にゲームの詳細が明らかになるはずだ。

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